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〈投稿〉 まっすぐな若者たち

 つい先日、ウリハッキョ(南武朝鮮初級学校、神奈川県川崎市)の運動会の時のこと。分会対抗のムカデ競争があった。対抗リレーだから、1分会あたり12人が必要だ。ところがウリ支部(南武支部)は分会が7つもあることから、全分会が出るには12人×7で84人の大人数をそろえなければならない。あたりを見回してみたが、ハッキョが小さいから学父母を全員集めても数十人位にしかならない。どうしよう。競技は不可能とあきらめかけた。

 その時である。若者たちの動きが突然騒がしくなった。客席に飛んできた彼らの熱気あふれる呼びかけとパワーに押されて、一人また一人と引っ張り出される。果ては老若男女皆こぞって参加させられることとなり、ムカデ競争は見事成功した。

 後からわかったことだが、この競技には学父母と家族のほか、初参加者や未組織の同胞、日本人、果ては南から来た旅行者まで立ち寄って応援したとのこと。

 やはりウリ支部の若者たちの意気込みと熱気、その団結力には驚かされた。

 思えばこの数年間、総聯結成以来初めてといえるほどの厳しい試練が続いた。

 しかし、ウリ支部は10余年前とそう大きく変わっていないような気がする。それは日常の集まりに来る同胞の数がさほど減っていないことからもわかる。

 マスコミの反朝鮮、反総聯キャンペーンも何のその。同胞たちは粛々とわが支部、わが村=ウリトンネを守ってきた。誰が? 答えは簡単。「まっすぐな若い仲間たち」が中心になってがんばったためだと言いたい。

 しかし、苦しい1年8カ月であった。この厳しい期間、支部委員長不在という不慮の事態が起こった。だが、若者たちはひるまなかった。仲間の中から信望の厚い李君を委員長代理(非専従)に選び、困難な事態を見事に乗り切った。それのみか彼らは毎晩のように遅くまで分会や同胞の中に入り、龍川災害救援活動でも自ら50万円を喜捨した友人を先頭にカンパ運動に立ち上がり、目標額を超過達成した。

 母校である南武初級学校の生徒数も減らさず、朝青隊列も36人も増やした。そんな誇りを胸に、支部大会を迎えたのである。

 会場は70人の定員でぎっしり。1世は7、8人、あとはみな若者ばかりだが、リーダー格はみな南武初級学校の出身だ。

 イオの精神を貫いて新委員長と役員は信望の厚い若手に代わり、万雷の拍手が鳴りやまぬ中、歴史的なウリ支部の大会は終わった。(孫済河、神奈川・南武支部所属)

[朝鮮新報 2004.8.3]