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「道険笑歩」いつまでも

 洪昌守選手が大好きだ。ヨン様をもじって、私は「ホン様〜!」といった感じだ。洪選手を好きで、尊敬している人はたくさんいるはず。彼の強さ、熱い「民族魂」、人なつっこい笑顔はみんなを虜にする。

 大学時代からのファンで、テレビや会場でいつも応援していた。

 去年、大阪の朝鮮料理屋で偶然会えた時はメチャメチャうれしかった。何がなんでも写真を撮らなければと、早速メイク直しを開始。2階にいる洪選手を階段下で友だちと今か今かと待っていた。ラブレターを胸に好きな人を校庭で待つ女子生徒の気持ちとはこういうものなのか…。あいにくカメラはなく、携帯電話の「写メール」での撮影となったが、はしゃぐ私達を横に、いつもの笑顔で快く応じてくれた。あまりにも興奮し、サインをもらい忘れたのは今でも悔しい…。

 6月28日、WBCスーパーフライ級世界戦(横浜アリーナ)を取材した。洪選手はTKO負けを喫し、V9達成は成らなかったものの、会場はわれんばかりの拍手に包まれ、「ホン・チャンス!」コールはいつまでも鳴り止まなかった。控え室では時折り悔しそうな表情を浮かべながらも明るい口調で、「負けた時のコメントは考えてなかったもので…(笑)」と、緊迫した空気を和ませていた。

 00年に王者に君臨して早や4年。在日3世であることを公表し、「北バッシング」が続く厳しい情勢の中でも堂々と闘ってきた。小さい体にのしかかるプレッシャーや不安は人々の想像を絶するものだったろう。だが卓越した精神力と技術、持ち前の明るさと笑顔で過酷な戦いを乗り越えてきた。同胞たちに与えてくれた信念と勇気、感動と喜びは計りしれない。

 これからの進路のことはゆっくり考えたいという洪選手。どの道を選ぼうとも、彼の「道険笑歩」の精神は変わらないだろう。私は一生応援していきたい。(良)

[朝鮮新報 2004.7.27]