〈投稿〉 「6.15時代」高まる統一気運 |
日本のマスコミは、日韓問題を取り上げても南北については軽視する雰囲気がある。「これでは隣国の動きを正しく把握、理解できなくなる」と朝鮮問題に関心を持つ日本の友人が、私に語ったことがある。 今、南北はまさに「わが民族同士」が大きくクローズアップされている。2000年の6.15南北共同宣言以降、「わが民族同士」の理念に従って朝鮮民族の統一運動では大きな変革が起きている。 この4年間、14回の南北閣僚級会談と9回の南北経済協力推進委員会会議をはじめ政治、経済、文化の各方面にわたって南北間の対話と接触、協力と交流が活発に行われた。片方だけの行事として催されてきた統一行事も、南と北が共催するイベントとして6.15と8.15をはじめ民族共同の記念日に盛況を呈して行われることによって、数多くの統一運動団体の連帯、連合がいっそう活発になった。 今年の6.15記念日は仁川で南と北、そして在日をはじめとする海外代表も参加した文字通りの民族大会であった。来年を「統一元年」にしようと呼びかけた民族大団結宣言が参加者の大きな拍手と歓声の中で発表された。 8.15にはこれまた、全民族参加の記念行事が平壌で行われる。6月15日を機に、軍事境界線を挟んで南北間で行われてきた「宣伝合戦」も中止された。海上でも、とくに西海上での軍事衝突を防ぐための相互通信ルート開設など、意思疎通を日常化するための措置が取られた。 断ち切られていた東、西海線鉄道、道路連結工事が力強く推し進められ、連結区間の開通を来年同時に行い、これに先立って可能な鉄道連結区間で列車のモデル運行を今年の10月頃に行うことで南北は合意した。夢にまで見た「統一列車」が現実のものになろうとしている。いよいよ軍事境界線の上を列車が走ることになる。北の開城工業地区建設の着工式、金剛山観光地区の運営と共に海路、航空路も開かれるなど、以前には想像すらできなかった出来事が起こっている。 こうした動きの根底にあって今の流れを後押ししているのは、6.15宣言後の交流、協力事業を通じて積み重ねられてきた「信頼関係」である。外勢によって38度線を境に分断された朝鮮半島は、59年目の今日、外勢を排除した民族の力によって元の1つになる輪郭を確実に形成しつつある。 一方、「ASEM鉄のシルクロード・シンポジウム」が6月、ソウルで開かれた。「鉄のシルクロード」と呼ばれるヨーロッパとアジア各地域の鉄道を一つに連結してユーラシア鉄道網を構築しようとする遠大な計画が現在、世界的規模で進められている。朝鮮半島の鉄道連結がこの遠大な構想の重要な位置を占めている。 南北縦断鉄道の次は当然なこととして、玄海灘の海底トンネルが視野に入るはずである。私は「統一の鉄馬」が南北を力強く疾駆する日を一日千秋の思いで心待ちにしている。(京都市在住、朴成琴) [朝鮮新報 2004.7.24] |