注目したい関西の「在日魂」 |
初めて関西で取材した。 一定期間、関西に滞在するのも数年ぶりのことだ。 大阪、京都、神戸、プラス名古屋の「四都物語」に胸をふくらませ、大阪に降り立った。 エスカレーターで右側に立つ人々、電車内に響き渡る関西弁、どことなく漂うたこ焼きのにおい、なぜか多い「ママチャリ」…。 もともと関西で育ったので、慣れ親しんだはずの環境。取材も順調にこなせると思っていた。が、その思いはもろくも崩れさった。 マシンガンのようにしゃべりまくる人、「何で怒ってるの?」と思ってしまうほど口調の激しい人、プロ野球の合併問題に怒り暴飲する人…。じっとしているだけでも汗ばむほど暑いのに、背中は冷や汗でさらにびっしょり。 「関西魂」の熱さに圧倒されっぱなしだった。 それでも「住めば都」。数日後には、熱さが心地よさへと変わり、関西弁のヒアリング能力も回復。幼いころから育んだ「関西魂」を、取り戻すことができた。 それもこれも、直前アポのような「図々しい」取材にも快く応じ、食事までごちそうしてくれた関西地方の同胞、活動家の厚いおもてなしのおかげだ。 「(本紙が)東京よりになっているのでは?」「関西の記事もどんどん掲載してほしい」などの指摘や激励も受けた。 15万人以上の同胞が暮らす大阪には、「探せばいくらでもネタがある」と話す大阪本部の職員。 「民族教育の原点がここにある」と話すのは、神戸の同胞。 会う人みな、総聯と同胞社会の発展を願う胸のうちを率直に語ってくれた。 みんな楽観的で明るく、感情表現が直接的でわかりやすい。食事一つとっても大胆。 朝鮮人の気質と「関西魂」がミックスされ、パワフルな「在日魂」を生んでいることに気付いた。 今後も関西地方の「在日魂」に注目したい。(泰) [朝鮮新報 2004.7.20] |