top_rogo.gif (16396 bytes)

「歌舞団」の素顔

 「朝鮮歌舞団」と聞けば読者らは何を連想するだろうか。同胞の結婚式場、ウリハッキョ行事など、同胞がいる場所にはどこにでも現れ歌や踊りを披露する。そんな彼ら、彼女らの思いを知るため、大阪歌舞団団員らの座談会を企画した。

 取材に訪れた時の事。事務所に入ると、OBの子どもが事務所を走り回って遊んでいた。

 「むちゃくちゃアットホームな…」。子どもたちの姿で取材前の緊張がいくらかとけた。

 同歌舞団の団員数は現在9人。趙正心団長の一声でみながソファーに座った。

 団長が開口一番、「何でも聞いてください。ここにいるメンバーは冗談が好きなんで堅苦しい事は抜きで」とほほ笑む。「じゃあ、歳から当ててもらいましょう。痛い目みないように」と冗談交じりで返す。

 創団35周年公演を開催するまでの苦労と成功させた喜び、「9.17」以降のバッシングと相次ぐ対外公演の中止、それを乗り越えた若い団員たちの話は奥が深く、彼女たちの熱い思いにのめり込んでしまった。

 印象的だったのが、「(楽しい時もつらい時も)必ず同胞たちと共に歩んできた」と口をそろえていた事。もう一つは「自分たちの歌と踊りを楽しんでくれる人たちがいる限り公演する」という言葉だ。

 各地で女性団員らと出会う事が多かったが、彼女らがどのような気持ちで公演しているのか知るよしもなかった。座談会を通して、少しだが朝鮮歌舞団の素顔を知る事ができた。

 団員らの机の上にはさまざまな場所での写真が飾られていた。びっくりしたのが、かつらをかぶり変な格好をした団員らが並んで同胞らの前で公演している写真。「歌と踊りだけじゃなく、同胞らに笑いも提供して元気を与えないと。吉本新喜劇じゃないけど、大阪だったら当たり前ですよ」(趙団長)。

 次からは違う視点で公演を見れそうだ。(c)

[朝鮮新報 2004.7.14]