日本に強制徴兵、病院で孤独な死、金さんの遺骨60年ぶりに故郷へ |
日本の植民地支配時代、強制的に日本軍に徴兵され精神病を患い、約55年にもおよぶ入院生活のすえ、2000年2月15日に日本で亡くなった金百植さんの遺骨の受け渡しが6月27日、東京都東村山市の国平寺で行われた。遺族を代表して訪日した弟の金春植さん(63)が遺骨を受け取った。28日には、金さんの徴兵から入院、亡くなるまでの経緯と、遺族への連絡を怠った理由などの解明を求め、東京都千代田区の厚生労働省と入院先であった小平市の国立精神、神経センター武蔵病院(当時は傷痍軍人武蔵療養所)を訪れた。 金さんは1944年に日本軍に強制的に徴兵され、戦地で精神病を患い、45年5月に長野県の松本陸軍病院に収容された。同年8月に武蔵療養所に転院してからは、胃がんの治療のため転院した3カ月を除く約55年間、家族に知らされることなく同療養所で孤独に過ごした。金さんの遺骨は、小平市役所と同胞らの手で無縁仏として国平寺に納められていたが、同胞らの調査によって遺族が判明した。金さんの外国人登録証の本籍地欄には、村の名前まで記載されており、そこに弟が住んでいるにもかかわらず、家族への連絡を怠った厚生労働省と病院側はともに、あいまいな返答に終始した。 金春植さんは「兄にもう一度故郷を見せてやりたかった」と声を詰まらせながら、「徴兵しておきながら今まで何の連絡もしてこなかった日本の対応に憤慨している」と語った。 [朝鮮新報 2004.7.3] |