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「一番大事なのは心」

 5月12日、留学同京都・立命館支部を取材するため立命館大学を訪れた。

 京都駅からバスに揺られること約30分。日本の大学に足を踏み入れるのは何年ぶりだろうか。そもそも日本学校出身者との面識がほとんどなかっただけに、期待と好奇心がふくらんだ。

 すでに本紙で紹介したが、同支部では週に1回学習会を開いている。ウリマル講習、朝鮮半島の歴史や文化、北南情勢など内容は多岐にわたる。外国人無年金問題や国立大学受験資格問題にも積極的に携わってきた。留学同でのさまざまな経験を通して、少しずつチョソンサラムとしての意識が芽生えてきたという日本学校出身者は多い。

 朝鮮学校出身であろうと日本学校出身であろうと、「1番大事なのは心」。

 ある学生の言葉に私は一瞬、言葉を詰まらせた。

 コテコテのトンポトンネに暮らし、幼稚園から大学まで民族教育を受けてきた私は、自分が置かれた環境を「当たり前」のことと思い、日本学校出身者の立場や考え、彼らの民族心うんぬんについて考える機会があまりなかった。

 日本の学校に通っても朝鮮民族の一員として民族の誇りと血筋を守り継承していこうと、そうした活動の活性化、拡大に大きな力を注いでいる留学同メンバーらの姿に、民族の心を養い、民族を守ることの大切さをあらためて実感した。

 出生を隠さず、あらゆる分野で民族をアピールし、同胞社会に喜びを与えている同胞は少なくない。環境は違っても同胞は同胞同士、力を合わせてあらゆる苦難を乗り越えてきた先代の意志を継いでこれからも共に闘っていかねばならない。その積み重ねが統一につながっていくのだと思う。

 さまざまな立場にいる同胞らと知り合い心と心を通わせ、同じ道へ一歩一歩進んでいけたらどれだけいいだろう。私はペンを武器にがんばらなければと、心を引き締めた。(良)

[朝鮮新報 2004.6.22]