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北会談の「疫病神」

 旅行やイベントに参加すると、必ず雨が降る「雨男」と言われる人たちがいる。科学的な根拠は全くないが、偶然の一致が度重なることで、こうした不名誉なあだ名をつけられてしまう。記者もその一人だった。

 2000年の6.15共同宣言発表後、14回の閣僚級会談や9回の経済協力推進委員会など、北南当局間で多くの会談が行われた。

 そのうち閣僚級会談を3回(第6回、第12回、第14回)取材した。しかし、この3回の会談では大きな成果を得ることはなかった。第6回会談は共同報道文すら発表されなかった唯一の会談になった。

 (「雨男」よりさらにひどい、北南関係を妨げる「疫病神」ではないのか)

 うっすらとそんな考えが頭の中をよぎるなか、2〜5日に平壌で行われた経済協力推進委員会第9回会議を取材した。

 「疫病神」ぶりを知っている朝鮮の記者たちは、「君が取材に来るとうまくいくものもいかなくなる。これ以上統一を妨げないでくれ」と、冗談交じりに言うが、本人にすると笑うに笑えない。

 「雨男」同様、科学的根拠はまったくないものの、会談の間は不安でどうしようもなかった。案の定、4日の午後5時に予定されていた最終会談は、夜中になっても始まる気配がない。南の雪岳山で開かれた北南将官級軍事会談で合意書が発表されたニュースがテレビで流れたこともあり、気持ちは焦るばかり。

 (今回も結果が出なければ、本当に「疫病神」になってしまう…)と思っていた矢先、最終会談で、10月の鉄道モデル運行など7項目からなる合意文が採択された。

 ふりかえると、6.15宣言発表からの4年間、北南関係はさまざまなう余曲折を経ながらも前進し、とても高い段階に発展した。そして今回の画期的な合意。これからは「疫病神」でなく「福の神」と呼ばれたい!?(松)

[朝鮮新報 2004.6.15]