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2004年夏第13号発行、「同胞経済研究」

 『同胞経済研究』2004年夏号(第13号)が刊行された。今号には、「同胞企業定期景況観測」の04年4月の調査結果と、その3年間の調査データを分析した呉民学朝大政治経済学部講師の「同胞企業定期景況観測調査の重回帰分析結果について」が掲載されている。また、李俊植朝大経営学部講師の「中国人民元切り上げ議論の背景」も掲載されている。

 「同胞企業定期景況観測」は、同胞企業の実態動向調査を目的に、商工連が01年4月から独自に行ってきた。今回は調査地域を拡大し、全国5ブロック、341の法人経営者を対象に調査。全般的な景況はマイナス数値を示しているが、改善傾向にあるという。

 呉氏は、同胞企業は不況などからくる経費の圧迫によって、日本の中小企業に比べても採算ベースが悪く、収益性が厳しい状況だと分析した。また、収益性、採算性といった問題を改善し、長期的に安定性を保てる企業モデルを構築する必要性を指摘した。

 一方、李氏のレポートでは、中国人民元切り上げ問題が経済的効果の享受を狙った日米の圧力によるところが多く、もはや政治問題となってしまっていると指摘しつつも、レート維持がもたらす中国経済への弊害を挙げ、中国にとっても人民元の切り上げが必要だと述べている。だが、そのための条件が整っていないことから、早急に実現されることはないと指摘している。

 『同胞経済研究』2004年夏号(第13号) 発行、問い合わせ=在日本朝鮮人商工連合会(TEL 03・3844・4111、http://www.korea-fci.com

[朝鮮新報 2004.6.12]