27日、福岡で民族フォーラム、テーマは「リメンバースピリッツ!」 |
1996年に北海道で初めて開催された青商会主催の「ウリ民族フォーラム」。9回目となる今年は九州で開催される。27日、福岡市中央区のアクロス福岡で開催される「ウリ民族フォーラム2004in九州」(主催=在日本朝鮮九州青年商工会ウリ民族フォーラム実行委員会)のテーマは、「リメンバースピリッツ!(魂を呼び起こせ)−無限な可能性にチャレンジ! ウィハヨ−」。(金明c記者) ミュージカル上演
今回のテーマ「リメンバースピリッツ!」には、差別の中で苦難の生活を余儀なくされてきた先輩同胞たちが民族性を取り戻し守り抜こうとした力強い精神を新世代の同胞たちが受け継ぐとともに、豊かな同胞社会を築き上げるために無限の可能性にチャレンジしようという意味が込められている。 フォーラムオープニング、続いてドキュメンタリー映画「リメンバー・スピリッツ!〜奇跡を起こした創造者たち〜」が上映される。九州地方同胞社会の形成、祖国解放と民族教育の始まり、九州朝鮮中高の創立などの貴重な映像が盛り込まれており、歴史的にも価値ある作品だ。 パネルディスカッションには、九州青商会の゙一男会長、朝鮮人強制連行真相調査団の洪祥進事務局長、朝鮮大学校科学研究部の李柄輝助手、JKミュージカルスクールの金智石代表、東京大学の高橋哲哉教授の5人が出演する。 「在日同胞に無限の可能性はあるのか?」をメインテーマに掲げ、「苦境にたたされた在日同胞社会はどの道を進めばよいのか」という問題提起のもと、2つのテーマに分けて議論を進める。 フィナーレでは、九州青商会、同胞、朝鮮学校生徒ら42人が出演するミュージカル「リメンバー・スピリッツ!−ミレのために」が上演される。 「地域性」生かし 昨年9月に第1回実行委員会を開いた同青商会では、「コンセプト、方向性をどこに置くべきか」について最も悩んだ。5回目の実行委員会でやっと一致したのは、「地域性」を生かす事だった。
日本の植民地時代、九州には多くの朝鮮人が強制連行され、過酷な労働を強いられた。犠牲になった人も少なくない。そんな1世らの「魂」をここ九州で甦らせ、そこから新たな可能性を見出すべきだと何度も話し合った。 朴龍哲幹事長は、「朝・日関係を打開するには、目の前の事よりも過去をしっかり振り返って前進することが大切だ」と話す。 九州青商会では現在、フォーラムに向け着々と準備を進めている。会員らは強制連行、強制労働などで死亡した朝鮮人約1000人分の名簿を整理。5月20〜24日、ソウルで行われた「日本の過去清算を要求する国際連帯協議会」に参加した青商会代表が名簿を公表した。 フォーラムで流すビデオ作成のために、会員らが1世同胞らを直接訪ね、九州地方での同胞社会の歴史について聞き取りを行ったほか、資料や写真も多数集めた。 ミュージカルの人選も率先して青商会会員らが引き受け、ほぼ毎日、九州中高校舎で練習に励んでいる。仕事の合間をぬってはセリフを覚え、出演する生徒らと共に気合の入った演技や歌の練習に余念がない。 「当初はこんな短期間でミュージカルなんてできるはずがないとの声もあった」と話すのは、小倉地域青商会の姜一成会長(39)。「会員らは行く先々で出会う同胞たちに、『今回のフォーラムはすごい』と豪語してますからね。後には引けない。とにかくいい物見せたい」。 九州青商会の李哲和副会長(41)は、「在日同胞社会ではさまざまな問題が起こっている。その本質が一体何なのかをしっかり見据え、青商会はもちろん多くの在日同胞たちに示していきたい。テーマに沿った議論を通じて『在日の可能性』をみんなで探っていきたい」と語った。 日時=6月27日(日)12時開場、13時開演。 場所=アクロス福岡(地下鉄天神駅より徒歩2分、西鉄福岡駅より徒歩10分) 問い合わせ=同実行委員会(TEL 092・291・0051) (関連記事) [朝鮮新報 2004.6.12] |