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300万円をパーッと

 「団体名や個人名は絶対に明かさないでください」

 5月上旬、大阪市内で行われた「特定船舶入港禁止法案」に反対する全国金属機械労働組合港合同の集会では、日朝友好団体から数通の連帯メッセージが紹介されたが、その団体や個人から事前に、報道は控えてくれとの要請があったという。集会の責任者は、バッシングを受ける恐れがあるから、とその気持ちを代弁していた。

 小泉首相の平壌初訪問から2度目の訪朝までの1年8カ月の間、総聯機関、在日同胞はいうにおよばず、日朝友好団体の日本の人々も肩身の狭い思いをしてきたのだと、あらためて思う。

 最近、龍川被災者救援日本連絡会の一連の動き、都下日朝友好区議会議員連絡会総会(4月)、日朝友好促進都議会議員連盟総会(3、6月)などを取材しながら、在日の一人として感謝の気持ちの一方で、彼らに危害が加えられないかと「心配」もした。

 「心配」する機会が増えたということは、朝・日友好を進めようとする団体の動きが活発化したということでもあるのだが。

 東京都議連は、会員からの年会費で約70万円の収入がある。が、この間、訪朝団も派遣できず、使うところが少なかったため300万円も貯まっているそうだ。桜井武会長は「今年はパーっと使おうと思っている」と話していた。

 空中分解せず組織を守り抜き、またこの間蓄えてきた力が彼らにはあった。

 総聯も第20回全体大会を開催し、新たなスタートを切った。

 「特定船舶入港禁止法案」が成立に向かうなど、不穏な動きがあるのも事実だが、これを団結の力ではね返していきたい。

 「9.17以後の事態を絶対に繰り返してはいけない」。龍川被災者支援連絡会記者会見での和田春樹国民協会事務局長の切実な訴えが今も耳に残っている。(姜)

[朝鮮新報 2004.6.8]