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そこが知りたいQ&A−総連20全体会が開かれたが

 総連第20回全体大会が5月28、29の両日、東京朝鮮文化会館(東京都北区)で開かれた。大会直前の小泉首相再訪朝に伴う朝・日首脳会談開催、金正日総書記の中国非公式訪問など朝鮮半島情勢が活発な動きを見せる中で開かれたとあって、内外の関心も高かった。今大会で何が話し合われ、何が決まったのか。

 Q 総連20全大会では何が話し合われたのか。

 A 大会では、@総連第20回全体大会報告A総連結成50周年を全組織、全同胞社会的に迎えることについての決定書採択B財政決算および予算案審議C綱領、規約の一部改定D中央機関の役員選挙−の5つが話し合われた。このうち重点が置かれたのは、第1議題の20全大会報告に関してだ。

 報告の体系は、@19全大会以降の総括と新たな発展段階への運動方向A同胞社会建設のために今後3年間に力を入れる課題B国際連帯性の強化、祖国の統一と隆盛繁栄に貢献するための課題C総連を愛族愛国の真の民族団体、同胞組織として強化するための課題−の4つである。つまり、19期の活動を総括し2007年までの20期の課題を示したわけだ。

 この報告に基づき15人の代議員が討論した。討論では、とくに02年「9.17」以降、在日同胞社会を取り巻く状況が厳しさを極めるなかで、斬新な発想と何にも屈しない精神力、総連組織と同胞社会を何としても守らねばならない一念で乗り越えてきた経験と教訓について語られた。

 Q 報告で明らかにされた課題は何か。

 A @朝鮮学校の教育を強化し民族教育を固守発展させるA民族性を守る事業の幅を広範な同胞を対象に発展させるB同胞生活奉仕活動と経済生活支援事業を新たな環境に合わせて繰り広げるC民族的権利を擁護拡大し在日同胞の地位を向上させる−の4項目。総連中央委第19期第2回会議では、民族教育文化事業と同胞生活奉仕活動を2大中心柱に据えたが、4項目の課題を見ると、今後もこの2つを柱に据えていくことがわかる。

 報告では、「総連が(9.17以降の)当初、急変する情勢に主導的に対処できなかったことによって、同胞の不安と苦痛を拭えず、同胞から総連組織に対して多くの意見が提起された」と率直に反省の弁が述べられた。そのうえで、総連中央委19期3回会議拡大会議を契機に態勢を整え、7カ月運動を展開した結果を持って20全大会を迎えたと、大会開催までの経緯について語った。

 Q 総連の綱領が一部改定されたそうだが。

 A そうだ。改定された綱領は前号に全文掲載した。綱領を改定した背景には、19全大会以降、朝鮮半島と総連を取り巻く情勢が大きく変化したことがある。▼朝鮮半島の核問題を話し合うための6者会談が開催されている点▼6.15共同宣言発表以降、北南間の交流と協力が活発化し、統一問題においても新たな局面が開かれている点▼小泉首相の2度にわたる訪朝で朝・日国交正常化に向けた動きが具体化している点−などがあげられる。

 こうした情勢から照らしてみる時、総連が結成以来掲げてきた統一と祖国の富強繁栄、朝・日国交正常化の実現を現実的な運動課題として掲げるべき新たな段階に入ったと言える。今回改定された綱領は、そうした活動目標と運動方向を盛り込んだものとなっている。

 Q 事前に新しい世代を主役にした運動への転換を話し合うとしていたが。

 A 徐議長は報告で、「総連における新世代問題は愛族愛国運動史の伝統と業績の固守、継承に関する問題」だとしながら、「本大会を契機に新世代の活動家を積極的に押し出し、彼らが総連の主要分野で責任ある役割を担うようにする」と述べた。

 今回、40代初めの総連中央副議長が誕生した。在日同胞社会の根を絶やさないためにも、新しい世代の問題をクローズアップした意味は少なくない。(文聖姫記者)

[朝鮮新報 2004.6.1]