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次こそ涙を笑顔に

 女子サッカーアテネ五輪アジア最終予選。朝鮮は日本に準決勝で敗れ、五輪出場の切符を逃した。

 朝鮮選手団が福岡空港に到着した時から約2週間、付きっきりで取材した。この間、選手たちとは情も行き交い、とても仲良くなった。それだけに、準決勝の敗北はなんともやりきれない気持ちにさせられた。しかし、試合を見ると、個々人の技術やフィジカルは、アジアでトップクラスにあることはまちがいない。

 サンフレッチェ広島の李漢宰選手が、「試合には負けが付きもの。これを教訓として次のレベルアップを図ればいい」と語っていたのが印象的だった。

 一方で大会期間中、選手たちはインタビューに快く応じてくれた。試合での真剣な表情とは、また違う一面を見ることができた。

 選手たちがサッカーを始めたのは12〜15歳頃。そのきっかけもさまざまだ。

 「興味があって」「勉強よりも運動するのが好きで」「親がサッカー選手で影響を受けた」など。バスケットボールや新体操などを経て、サッカーに転向した選手もいた。

 エースのチン・ピョルヒ選手(23)は、12歳からサッカーを始め、14歳で体育団へ入団。98年から代表に召集された。昔から走ることが好きで、テコンドーも少しかじったとか。最初は趣味で始めたサッカー。今ではアジアを代表するフォワードへと成長した。最初はディフェンダーだったというから驚きだ。「ゴールを入れた時の気持ちよさはなんとも言えませんね」。

 「根っからのサッカー好きなんですね」と返すと照れ笑いを浮かべた。

 選手たちは、「『女性がサッカーをする』ことには、お国柄まだまだ抵抗感が根強い。親には反対されもした」と口をそろえていた。

 「それでもやっぱりサッカーは楽しい」と時折り見せる無邪気な笑顔。次こそは敗北の涙をこの笑顔に変えてほしい。(c)

[朝鮮新報 2004.5.11]