〈どうなる? あなたの年金〉 外国人に一時金払う制度あるの? |
Q 年金を受ける見込みがない外国人に一時金を支給する制度があると聞きました。これはどのような制度なのですか? また、日本在住のウリ同胞はこの制度を利用することができますか? A 現在の公的年金制度は、日本に住むすべての人について国籍を問わず適用されることになっています。しかし、日本に滞在する外国人などは、年金制度への保険料の納付が年金給付に結びつかないことが多いため、1994年に脱退一時金を支給する制度が設けられました。 この脱退一時金制度は、国民年金の第1号被保険者としての保険料納付済期間が6カ月以上ある外国人、または厚生年金保険の被保険者期間が6カか月以上ある外国人で、年金を受けることができない人が、日本を出国後2年以内に請求を行った場合に支給されます。 ただし、次のいずれかに該当する場合は支給されません。 @日本国内に住所を有するとき 以上の要件に該当しない場合には、社会保険事務所、市区町村役場の国民年金担当課または各自治体の国際化協会などに備えてある「脱退一時金裁定請求書」に必要事項を記入し、年金手帳、パスポートの写し(氏名、生年月日、国籍、署名、在留資格、出国年月日が確認できるページの写し)、裁定請求書の「銀行の口座証明印」の欄に銀行の証明を受けるか、銀行名、支店名、支店の所在地、口座番号、請求する本人の名義の確認できるもの(銀行が発行した証明書等)などの必要書類を添付して、社会保険事務センターに郵送します。裁定請求書が受理されて決定、送金まで、必要書類に不備がなければ、通常、3カ月から4カ月かかります。 支給金額は、国民年金の場合は、第1号被保険者としての保険料納付済期間に応じて、厚生年金保険の場合は、厚生年金保険の被保険者期間と平均標準報酬月額に応じて、別表により算出した金額を支払日の為替レートにより、送付先の通貨に換算した額になります。 以上のように、脱退一時金制度は、国民年金または厚生年金保険に6カ月以上加入している外国人で、年金を受けることができない人が日本を出国後2年以内に請求を行ったときに支給されるものなので、残念ながら、日本国内に在住する同胞には適用されません。しかし、短期在留資格で南朝鮮から日本に働きに来ている親戚などが帰国する場合には適用される制度です。(韓鐘哲、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー) [朝鮮新報 2004.5.11] |