〈どうなる? あなたの年金〉 20歳前の障害者に年金支給? |
Q 20歳になる前から障害がある場合、年金保険料を納めていなくても障害基礎年金が支給されると聞きました。これはどのような制度なのか詳しく教えてください。 A 国民年金には、病気やケガ、事故などが原因で一定以上の障害が残ってしまった場合に支給される障害基礎年金という制度があることを以前この欄で説明しました。この国民年金の障害基礎年金には、20歳に達する前に初診日(初めて医師の診断を受けた日)がある病気、けがで障害になった場合、特例的に支給される「20歳前傷病による障害基礎年金」というものがあります。 20歳前傷病による障害基礎年金は、20歳に達する前に初診日がある病気、けがで障害になった場合は、20歳に達したとき(障害認定日が20歳以後の場合は、その障害認定日)に、障害の程度が障害等級表の1級または2級の状態にあれば、障害基礎年金が支給されます。このとき、年金保険料の納付状況は、支給要件とはなっていません。もともと20歳前には年金保険料を納付する義務がないからです。この「20歳前傷病による障害基礎年金」という特例制度が、保険制度である国民年金制度に「保険」という文字が入っていない所以といえます。 また、20歳に達したときや障害認定日に障害等級表の1級または2級に該当する障害の状態になくても、その後65歳に達する日の前日までに障害等級表の1級または2級に該当するようになれば、本人の請求により障害基礎年金が支給されます。 20歳前傷病の障害基礎年金の支給年金額は、普通の障害基礎年金と同様の2級は79万7000円、1級は2級の年金額の1.25倍の99万6300円に、受給権者がその権利を取得した当時その者によって生計を維持していた@18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子、A障害等級の1級または2級の障害の状態にある20歳未満の子がいる場合は、2人目までは1人につき22万9300円、3人目以降は1人につき7万6400円の子の加算額を加えた金額になります。 ただし、この20歳前傷病による障害基礎年金については、本人が保険料を納付していないことから、所得制限が設けられています。毎年7月に所得審査が行われ、前年の所得額が360万4000円を超える場合には年金額の2分の1相当額が、462万1000円を超える場合には全額が、その年の8月から翌年7月まで支給停止となります。 また、この20歳前傷病による障害基礎年金は請求しなければ受給できません。20歳の誕生日が来たら速やかに請求手続きをしてください。受付窓口は、居住地の市区町村役場の国民年金課になりますが、障害の状態、所得状況などによって提出する書類が異なるので、事前に電話などで確認、相談してください。(韓鐘哲、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー) (注)文中の金額はすべて2003年度のものです。 [朝鮮新報 2004.4.20] |