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愛知でタングンファミリーコンサート

 愛知県内の20〜30代の女性らを中心にした「童夢21ネットワーク」が主催して3月28日に開かれた「童夢(トンム)21フェスターみんなあつまれ第3回タングンファミリーコンサート」(名古屋市芸術創造センター)。朝鮮の始祖とされるタングン(檀君)をテーマにした舞台を通じて、子どもらに民族の心を養うのが目的だ。県内の若い同胞夫婦と子どもらを中心に400人が観覧した。場内に「タングンマーチ」の音楽が流れると、子どもたちがいっせいに踊り始め、おおいに盛り上がった。

子どもたちのヒーロー

 約1時間のコンサートはすべて子ども向け。舞台にはタングン、トラとクマの人形や歌と踊りのお兄さん、お姉さん、そしてピビンバレンジャー、アッパ(父)と子どもらが登場し、歌と踊りを繰り広げた。

 タングンが現れると会場からは大きな拍手がわき起こった。「タングンマーチ」の音楽が流れるとにわかに興奮しだした子どもたち。舞台のお兄さん、お姉さん、人形と一緒になって踊った。

 コンサートは99年、01年に続き3回目。民族のルーツを子どもたちに教えることで民族の心を養おうと、県内の幼稚園児を持つ同胞女性らの協議会が主催している。初回公演から約5年の歳月が過ぎ、スタッフは入れ替わったが、その趣旨はしっかり引き継がれている。

 「タングンマーチ」は99年のコンサート時に「童夢21ネットワーク」メンバーが作詞作曲したもので、今では子どもらとその父母にもよく知られている。県内の朝鮮幼稚園の教材としても取り入れられているという。

 「今や子どもたちにとってタングンはヒーロー」、と関係者も語っていた。

「毎回レベルアップ」

 現在、県内にある女性同盟16支部のうち13支部に幼い子どもの母親らの集いがある。95年の瀬戸支部を皮切りに次々と結成された。活動内容はチャンゴなどのサークル活動やお茶会、ピクニック、ミニコミ紙発行など地域によってさまざまだ。その責任者らによる協議会が「童夢21ネットワーク」。それぞれの地域で活動をより発展させるため互いに経験を交換している。コンサートはその過程で企画された。「タングン神話」については歌や踊りに加え、紙芝居を通じてわかりやすく説明している。

 3回目になる今回は、県内の話術クラブによるピビンバレンジャーが民族料理をテーマにしたショーを披露。アッパ(愛知青商会会員)らの合唱もあった。東海朝鮮歌舞団は人気のアニメソングを朝鮮語と日本語で歌う工夫も凝らした。入学、入園をはじめ子どもが進級するシーズンであることから、朝鮮学校教員が作詞作曲したオリジナルお祝い曲も組み込まれた。

 以前にもコンサートを観た具恵美さん(30、瀬戸支部)は、「毎回レベルアップしているという印象。とても親しみやすく、朝鮮語の勉強にもなる。大人も楽しめる内容」と感想を述べた。

 アッパの合唱に出演した豊田青商会の李明秀副会長(39)は、「恥ずかしくて出るのをためらっていたが、良い思い出になると思う」と話していた。

 コンサートは約1年かけて準備されてきた。次回の日程が決まらないうちから早くも次回への期待が高まる。

 名駅支部若い女性同盟サークル副責任者の徐由美さん(33)は、「踊って歌って楽しめるサークルを結成する予定。同胞女性と子どもらがたくさん集まるサークルにしたい」と抱負を語る。「コンサートには誘われる一方だったが、チャンゴを習って子どもと一緒に出演もしてみたい」と話していた。

 今やコンサートは、愛知県の恒例行事になろうとしている。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2004.4.13]