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総連第20回全体大会に向け知ろう総連の歩み(37)

 総連第20回全体大会は目前に迫っている。大会の構想と大枠については、総連中央委員会第19期第4回会議(徐萬述議長報告)で決定されている。また同会議では、大会の招集(許宗萬責任副議長報告)についても決めた。

 会議では、第3回会議拡大会議以降の活動の実行状況を総括し、新世紀の在日朝鮮人運動と総連第20回全体大会の任務などについて明らかにした。とくに総連の使命は@今日の難関を乗り越え、総連組織と同胞社会を守り、民族性を固守することA新たな局面に入った在日朝鮮人運動の活路を頼もしく開拓していくこととした。この使命を果たす上で20全大会は歴史的な里程標になり、在日朝鮮人運動の新時代を迎える画期的契機となるとしている。中央委員会の決定に従って準備が進められれば、20全大会はかならずや目標を達成できるはずだ。

 連載を締めくくるにあたって3点コメントしたい。@は転換期についてである。歴史的に省みると、置かれている時点はつねに転換期であった。近現代史だけを見ても第1次大戦、ロシア革命、第2次大戦あるいは東西冷戦とその終焉、ソ連、東欧社会主義の崩壊などたどれば常に転換期であった。日本、在日朝鮮人運動の場合も例外ではない。環境の変化に合わせて総連活動の転換を目指した大会は何度もあった。しかし、今回の転換期に対する認識はこれまでと同じようにしてはならない。「組織の命運を賭ける転換期」と考えるべきだ。

 Aは新しい世代の問題、新世代(セセデ)問題である。在日朝鮮人運動において新世代問題は、若者の問題という狭い範囲にとどまらず、組織と運動の継承と発展、つまり組織の存亡にかかわる問題と捉えるべきなのが新世代問題であると思う。Bは主体的立場の堅持である。半世紀以上にわたる在日朝鮮人運動と総連活動の過程は、祖国の分断長期化、無視できない国際環境、日本の敵視政策と根強い差別意識、反動組織による懐柔と圧力、動揺と変節などのなかで推進されてきた創造的民族運動の典型例である。さまざまな見解や批判があってもおかしくない。しかし、常に運動の担い手としての自覚から出発して今後も活動を展開するべきではないか。破滅的、崩壊的批判はことを進める事ができない。

 最後に、連載の記事は不足、未熟な点が多々あったと思う。読者を満足させられるものではなかった事と承知している。連載中少なくない読者から激励とともに厳しい忠告も受けた。一部の読者から過分な言葉を授かったのは、いままで総連の活動家と同胞たちが作り上げた成果と業績がすばらしかったことの一点に尽きる。また、海外僑胞、日本人からも反響があり、朝鮮新報の影響力をあらためて認識した。今後も、われらの運動に対する研究によりいっそう励む所存である。読者に心より感謝したい。(呉圭祥、朝鮮大学校教授)

[朝鮮新報 2004.4.8]