総連第20回全体大会に向け知ろう総連の歩み(34) |
バブル崩壊で日本経済を取り巻く環境は激変した。同胞の金融機関である信用組合も大きな打撃を受けた。1997年5月朝銀大阪、99年5月朝銀東京をはじめとする13組合、2000年12月朝銀近畿(2次)、01年8月朝銀関東が相次いで破綻した。破綻の要因は複合的である。筆者なりに整理するならば@金融恐慌にも等しかった日本経済の影響A急変する経済状況に対応できなかった朝銀の経営上の問題B融資先とくに大口の融資の不良債権化C総連の傘下団体であった朝信協に対する総連の指導と一部機関の不良債権化などがその要因といえよう。民族金融機関である同胞信用組合の破綻は、同胞の生活や企業活動において大きな痛手であったことは確認するまでもない。 総連は同胞の生活と団体を指導する立場から、同胞民族金融機関を守るためにそのつど対応した。総連第19回全体大会では「われわれは、同胞商工人の企業発展と同胞の生活向上に貢献してきた一部の朝銀の破綻を防ぐことができず、同胞らに多くの被害を与えたことに責任を感じています」として、朝銀信用組合の再生と新たな発展のために全力を傾けると決意を新たにした。総連は、かつての活動から深刻な教訓を得て、全組織の力と同胞の熱意で信用組合を最後まで守る立場で活動を展開した。 ブッシュ米大統領の対朝鮮政策声明と同時多発テロ後の反テロ対策の一環としての「資金源探し」を背景に、破綻した各朝銀信用組合に対する日本当局の捜査と弾圧がいっそう強化された。25人以上の朝銀役職員が逮捕され、150人以上が取調べを受けた。01年11月28日には総連中央の元財政局長が逮捕拘留され、翌29日、日本当局は史上初めて、総連中央会館を強制捜査した。12月5日、総連に対する不当な政治弾圧を断固糾弾する在日本朝鮮人中央大会が開かれ(徐萬述議長報告)、日本当局に抗議するとともに組織の強化に力が注がれた。元財政局長に対する不当な逮捕と裁判に抗議するたたかいもくり広げられた。 日本当局の圧力や各種の妨害によりかなりの制約はあったが、「現時点で同胞たちの経済生活で提起している切実な要求は民族金融機関運営の正常化である」(中央委員会第19期第2回会議、02年5月)などとして、総連は信用組合の再生と正常化に向け対処し、同胞たちにも呼びかけた。各地の同胞たちは、設立準備委員会などをつくり、再出発のために尽力。複雑な過程を経たものの、02年12月までに営業を開始した。(呉圭祥、朝鮮大学校教授) [朝鮮新報 2004.4.1] |