総連第20回全体大会に向け知ろう総連の歩み(33) |
反共和国、反総連の動きが強まる中で、総連と同胞たちは民族教育を守り発展させるためにいつになく力を注いだ。2002年8月の新たな方針で初中級学校を総連が運営する幅広い同胞民族学校に発展させる対策をたて、教育内容を大きく改編するようにした。在日同胞社会で民族性の喪失が加速化されている深刻な事態を直視し、初中級学校をさまざまな思想、政見、信条をもつ保護者たちの子女を対象とする幅広い民族教育の場に転換することが方針の根本だった。主な点は、教育施設の環境の変更、教科書の改編であった。総連はおよそ10年を周期にカリキュラムと教科書を改編してきた。ちなみに1955〜57、63〜64、74〜77、83〜85、93〜95年の5回である。03学年度には初級部のすべての教科書49点をはじめ58点を改編した。教育内容改編の原則は@主体性、民族性A科学性B現実性の堅持。特徴は、@幅広い民族教育を目指したことA同胞学父母の意見を受け入れる方向で編成B「部分的な学校週5日制」の導入にあわせたこと−などである。改編は、05学年度まで122点についてすべて行われる予定で現在も進められているが、おおむね好評である。 各学校では創立記念日などに際して祝賀行事を行い、民族教育発展の契機とした。例えば大阪朝高創立50周年(02年9月)、広島中等教育50周年(03年9月)、茨城初中高創立50周年(03年10月)、愛知中高創立55周年(03年10月)、鶴見初級付属幼稚班創設50周年(03年12月)など。また、「民族フォーラム in 神奈川」(03年10月)のように各地で民族教育の内容、必要性、意義などを真摯に論議する場を盛んに設けた。03年初頭から9月頃までに集中的に展開された、朝鮮高校卒業生の日本の国立大学受験資格認定の運動も多くの同胞、青年学生が参加して行われた。 総連は、いわれのないバッシングが続く状況下でもより多くの同胞の意見や要求を吸収して、その活動に結びつけ前進させるために、総連中央の諮問機関などを発足させた。02年11月には「民族教育協議会」(蔡鴻悦会長)、03年1月には「セセデ問題協議会」(李相大会長)、8月には総連中央民族性固守委員会第1回委員会(事務局は中央、委員は別)などを専門家、有識者、経験者、各階層同胞などで構成した。傘下団体や各県本部などでも各種の協議会などをつくった。(呉圭祥、朝鮮大学校教授) [朝鮮新報 2004.3.30] |