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総連第20回全体大会に向け知ろう総連の歩み(32)

 2002年9月17日、金正日総書記と日本の小泉首相が会談し、「朝・日平壌宣言」が発表された。宣言の序文には朝・日間の非正常な過去を清算し、「懸案事項を解決して結実ある政治、経済、文化的関係を樹立することが双方の基本利益に合致する」とある。両国関係の具体的展望を明らかにした歴史的文書であった。

 総連中央の徐萬述議長は当日、談話を発表し、「熱烈に歓迎」するとした。しかし、実際には宣言の理念と期待通りには遅々として進まなかった。とくに「拉致問題」が大きくクローズアップされ日本の世論は反共和国、反総連、反朝鮮人一色の雰囲気に包まれた。「ニューズウィーク誌日本版」が「拉致ヒステリーの落とし穴、拉致一色に染まった日本の世論、そろそろ日本は冷静さを取り戻すべきであろう」(03年10月22日号)とまで書く状況であった。総連は事態の推移に注目しながら、現実的かつ積極的に対応した。なによりも同胞たちと日本国民に宣言の基本理念と内容を解説し、朝・日関係が宣言の精神に基づいて解決されるように働きかけた。また、総連活動を取り巻く状況を、総連結成以来「最悪の危機的状況」(総連中央委員会第19期第3回会議拡大会議、03年5月9日)として、組織の擁護に最重点を置いた。総連は随時開催した中央委員会、県本部委員長会議などの場で対策を討議した。とくに議長、責任副議長をはじめ中央の活動家たちが同胞に直接会い論議した。

 共和国に対する悪意に満ちた報道や誹謗中傷が氾濫する中で総連に対するさまざまな攻撃が図られた。その典型が各地朝鮮会館に対する固定資産税など税金の徴収である。「北朝鮮に対する敵がい心、恐怖心」を国民の中に煽り、それを総連と直結させ、「兵糧攻め」にすることで組織の弱体化を狙ったものといえる。その急先鋒が石原東京都知事である。

 中央会館の固定資産税に関しては、美濃部、鈴木、青島の各都政、石原都政第1期の約40年間実質的な在外公館として課税を免除されてきたことを踏まえ、課税を不服として東京都に減税申請と審査請求を行った。ところが都は差し押さえ処分を取る始末であった。総連中央は留保条件付で納税する処置をとった(9月30日)。総連は、「不当かつ差別的な今回の課税処分が撤回されるまで、法的手続きにのっとって、あくまで争っていく」(総連中央呉亨鎮副議長のコメント、同日)と明言している。不純な政治的意図がからんだ総連弾圧行為に今後も反対していく方針だ。(呉圭祥、朝鮮大学校教授)

[朝鮮新報 2004.3.27]