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総連第20回全体大会に向け知ろう総連の歩み(31)

 総連は、同胞の中で民族性を堅持するために一貫して活動している。しかし、在日同胞の間では世代交代、国際結婚、帰化など、さまざまな理由から民族性が希薄化している事実は否めない。そこには同胞社会における主体的要因とともに日本当局の差別、同化政策が背景にある。

 総連は同化政策に反対している。顕著な問題のひとつが地方参政権である。この地方参政権問題は基本的人権擁護の問題というよりは、いたって政治的な問題として浮上している。民団は1987年頃から地方参政権問題を取り上げ、95年にはその獲得のために「全力投球」する方針を打ち出している。97年には日本の各党による「法案」が国会に提出され、その後、廃案、継続審議などが繰り返されている。

 総連は、地方参政権問題が提起された当初から反対の立場を貫いてきた。96年5月7日付けの本紙論説「われわれは『参政権』に反対する」では、総連の見解が全面的に明らかにされている。99年6月には徐萬述第1副議長が官房長官、呉亨鎮副議長が自治大臣と会い、地方参政権であっても日本の国政につながり内政不干渉の原則に反するので、総連は「参政権」は必要ないとの立場だと述べた。また、国会に上程されたことと関連して、2000年2月2日、南昇祐副議長が「即時撤回」を求める総連中央常任委員会声明を発表した。さらに、与党3党が審議入りを確認したことで、4月23日には審議取りやめを求める声明を出している。

 「参政権が欲しいなら日本国籍を取ればいい」として、与党のなかでは、00年末頃から特別永住者の帰化手続き緩和の動きを具体化させた。01年4月には、与党の議員立法で日本国籍を取得する際の「許可制」を「届け出制」に変更する要綱などをまとめた。総連はこのような動きについても帰化を促すものとして警戒した。

 在日同胞を「朝鮮系日本人」につくろうとする主張と策動に対しても注意を払い対処するようにした。法務省の現役官吏である坂中英徳東京入管局長は論文で、在日朝鮮人に対して「日本国民は寛容であるはずはない」、外国人の地位と国民の地位の間には越えられない壁があるとして、「朝鮮系の日本国民」になることを主張している(中央公論03年7月など)。

 総連は、在日同胞が日本に住みつつも朝鮮民族としての誇りを持って生活することを目指しており、帰化の環境を醸成し「朝鮮系日本人」になることを強要したり、勧誘することを望んでいない。(呉圭祥、朝鮮大学校教授)

[朝鮮新報 2004.3.25]