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「通知不可能」というワン切り

 平壌常駐から日本に戻ってきた途端、携帯電話に頻繁に「ワン切り」がかかってくるようになった。しかも「通知不可能」。実は平壌支局からの電話で、電話をかけてくれという合図だ。

 平壌から電話をかけると1分約480円。しかし日本からは、契約している電話会社によって差はあるが、およそその5分の1から10分の1に抑えられる。以前は平壌から連絡事項があるとき、本社から折り返し電話するよう早口で頼んでは1分以内に切っていた。これでも大きな節約になると満足していた。しかし「ワン切り」の効果に気づいてからは、1円もかからなくなった。支局の現地スタッフも、本社の記者たちも新たな発見だと感心していた。

 このことに気づいたのは、本社との連絡がなかなかつかなかった正月、同僚記者の携帯電話にかけたことから。平壌支局から電話をかけたら「通知不可能」と表示されたという。それで次からは、1回鳴らしたら折り返し電話をする約束をした。しかしリスクもある。受け手が気付かなかったり、外出している時はどうしようもない。急用の場合は仕方なく480円。

 朝鮮では最近、携帯電話を手にするひとが増えた。昨年11月現在で加入者は2万人に達したという。ちなみに平壌支局のスタッフも携帯電話を持っている。

 朝鮮では携帯電話の通話料が通常の電話より数段高いという事情があり、市民らもまた、いろいろと工夫していた。朝鮮の携帯電話にも誰がかけたか表示されるので、これをヒントに約束事をしている利用者もいる。支局のスタッフはワン切りがあった直後、あわてて通常電話で家に連絡していた。

 ひと昔前は、電話が設置されていない家庭も少なくなかったが、今では携帯が流行。今後は価格を低く設定し、より多くの人が利用できるようにするという。(姜)

[朝鮮新報 2004.3.23]