〈どうなる? あなたの年金〉 障害残った際にももらえるの? |
Q 公的年金制度には、年を取ったときにもらえる老齢年金だけでなく、病気やケガで障害が残ったときにも年金をもらえるということですが、もらうための要件はあるのでしょうか? A 公的年金制度は、老齢のほかにも、障害または死亡という保険事故に関して必要な給付をすることになっていることを以前説明しました。 病気やケガ、事故などが原因で一定以上の障害が残ってしまった場合、国民年金から「障害基礎年金」が、厚生年金保険に加入していると「障害厚生年金」が支給されます。 障害基礎年金の支給要件は、障害の原因となった疾病、負傷について初めて医師の診断を受けた日(初診日)において、@被保険者であった人、またはA被保険者であった日本国内に住所を有する60歳以上65歳未満の人(ただし、繰り上げ支給による老齢基礎年金を受けている人を除く)が、障害認定日(初診日から1年6カ月を経過した日またはその期間内に傷病が治った日)に障害等級の1級または2級の障害の状態にあるとき、または、障害認定日に障害等級の1級または2級に該当しなかった人が65歳に達する日の前日までに障害等級に該当し請求を行ったときに、その障害の程度に応じて支給されます。 ただし、年金保険料の納付要件というものがあり、初診日の前日に、初診日の属する月の前々月までの国民年金(厚生年金保険の加入期間も含む)の被保険者期間があるときは、その被保険者期間のうち、保険料納付済期間と保険料免除期間を合わせた期間が3分の2以上なければ支給されません。 なお、特例として、平成18年4月1日前に初診日がある場合は、初診日の属する月の前々月までの1年間のうちに保険料の滞納がなければ支給されます。 また、障害基礎年金の特例的支給要件では、初診日が20歳前にある傷病については、20歳に達したとき(20歳に達した後に障害認定日があるときは、その認定日)に、障害等級の1級または2級の障害状態にあるときは、障害基礎年金が支給されることになっています。 障害基礎年金の支給年金額は、2級は79万7000円、1級は2級の年金額の1.25倍の99万6300円(ともに2003年度の年金額)に子の加算額(加算の要件あり)を加えた金額になります。 障害厚生年金の支給要件は、@障害の原因となった病気やケガの初診日に厚生年金保険の被保険者であること、A障害認定日の障害の程度が障害等級の1級から3級であること、B障害基礎年金の保険料納付要件を満たしていることです。 支給年金額は、厚生年金保険に加入していた期間とその間の平均標準報酬額などから算出された金額(算出方法の説明は省略)と、1級、2級の障害厚生年金には、それぞれ1級、2級の障害基礎年金の年金額を加算した金額になります。 このほか厚生年金保険には、障害等級3級の障害よりやや軽い程度の障害が残ったときに支給される障害手当金(一時金)があります。(韓鐘哲、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー) [朝鮮新報 2004.3.9] |