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「交流が理解への早道」

 「日本社会同様、南でも在日についてほとんど知られていないことにショックを受けた」

 3〜7日にかけて京都と大阪で行われた東アジア青年学生平和人権キャンプに参加した朝鮮大学校の学生のコメントだ。

 2000年の北南共同宣言発表後、南でも在日同胞、とりわけ総聯系同胞に関するニュースが少しずつ増えている。とりわけ、小泉首相の訪朝後から始まった「北朝鮮バッシング」を機に増えた朝鮮学校生徒たちへの暴行や嫌がらせのニュースも増えているにもかかわらず、在日への認識度は低い。

 そんな話を聞きながら、では、在日は南や北のことをどれほど知っているのだろうかと思った。北に関しては言わずもがな、南に関しても食べものや観光など文化的な面では日本のマスコミでも紹介されるものの、社会が抱えている問題などはあまり伝わってこない。

 在日が北や南のことをゆがんだ形で、あるいは一面的にしか知ることができない主な原因が、日本マスコミの偏重報道にあることは言うまでもない。しかしインターネットなどの普及により、目的意識さえ持てば情報収集はできる。

 とはいえ、いくら情報を収集しても実際に見ないとわからないことが多いというのもまた事実。南から来たある大学生は、「新聞などを通じて朝鮮学校のことは知っていたが、実際に見て現状はもちろん、子どもたちの息吹を感じることができた」と感想を述べていた。

 4泊5日のキャンプを終えて、前述の朝大生に感想を聞いた。「私たちも南のことを知ることができたし、南の人も在日のことをより知ることができた。これからは、ここに参加した人たちがアウトプットしていくことで、互いの理解を深めていければいい」

 地道な交流こそ、理解を深める一番の早道だということを実感した。(松)

[朝鮮新報 2004.2.17]