〈どうなる? あなたの年金〉 保険のような機能があるの? |
Q 公的年金制度を老後のための積立金制度と思っていたのですが、生命保険や損害保険のような機能があると聞きました。本当でしょうか? A 一般の方々は、公的年金というと、すぐ老齢年金のことだと思いますが、公的年金制度は、老齢のほかにも、障害または死亡という保険事故に関して必要な給付をすることになっています。 公的年金制度には、年齢を重ね、ある一定の年齢に達したことにより支給される「老齢年金」、病気やケガ、事故などが原因で一定以上の障害が残ってしまった場合に支給される「障害年金」、夫に先立たれてしまった妻や子どもに支給される「遺族年金」の3つが、支給される年金として法律で規定されています。 それぞれの制度によって、支給される年金の名称、種類が違っています。 公的年金制度の基礎となる国民年金(基礎年金)で規定される年金の名称と概要、支給される年金額は次のとおりです。 @老齢基礎年金…20歳から60歳までの40年間、国民年金保険料を納めると、65歳から満額(2003年度の年金額は79万7000円)の年金が生涯受けられます 以上のような基礎年金が支給されるとき、厚生年金保険、各種共済組合に加入している、または過去に加入していた方々には、厚生年金、共済年金が上乗せ支給されます。 ただし、いずれの基礎年金も国民年金保険料を定められた最低期間納付することが支給要件になっています。国民年金保険料を滞納していると老齢基礎年金は減額支給されるか、最悪の場合は支給されません。また、障害や死亡といった不慮の事態が生じたとき、障害基礎年金、遺族基礎年金の支給を受けられないということもあります。 一般に「年金=老齢年金」という固定的な考え方から、公的年金制度は「積立金」のように思われています。しかし、生命保険と障害保険のような機能も公的年金制度にはあるのです。(韓鐘哲、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー) [朝鮮新報 2004.2.11] |