〈どうなる? あなたの年金〉 保険料はどうなっているの? |
Q 私たち在日同胞も公的年金制度の対象になることはわかりましたが、公的年金制度の保険料は、どのようになっているのですか? また、保険料は大学生も支払うのですか? A 公的年金制度の保険料は、それぞれの被保険者ごとに違っています。 自営業者、農業者、学生などの第1号被保険者の保険料は、その人の年齢と所得に関係なく1人一律、月額1万3300円となっていて、被保険者本人と被保険者の属する世帯の世帯主および配偶者の一方が、連帯して保険料を納付する義務を負うことになっています。 第2号被保険者の保険料は、本人の給料の額から決められる標準報酬月額に保険料率(一般の給与所得者の場合1000分の135.8)をかけて算出した保険料を、原則として被保険者と事業主がそれぞれ2分の1ずつ負担し、事業主が被保険者負担分も含めて納付することになっています。そのため、事業主は、被保険者の給料から前月分の保険料を控除することができるようになっています。なお、現在の公的年金制度では、第2号被保険者が保険料を負担することで、被扶養配偶者である第3号被保険者は、自分自身が保険料を納めなくても良いということになっています。 以上のように、それぞれの被保険者ごとに保険料を支払うことになっていますが、第1号被保険者には、独自の規定として保険料の納付義務が免除される「免除制度等」があります。この制度は、国民年金の保険料を納付することが困難なとき、その納付を猶予し、後日納付が可能となったとき保険料を後払いすることができる仕組みで、生活保護法による生活扶助を受けている等の一定の事由に該当する者に適用される「法定免除」、前年の所得がない等の一定の事由に該当する者が申請した場合に適用される「申請免除」があります。 また、前記のとおり、20歳以上であれば学生も保険料を納付しなければなりません。しかし、一般的に学生は収入がないため、その保険料は親が納付することになります。このような親の負担の軽減や、保険料未納期間があることによる年金の未支給などを防ぐため、2000年4月から大学(大学院)、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校および各種学校その他の教育施設の一部に在学する20歳以上の学生であって、学生本人の前年の所得が68万円以下である者が申請した場合に適用される「学生納付特例制度」が設けられました。この申請が認められると在学中の保険料の支払いが、最長で10年間猶予されます。この特例制度を利用するためには、居住地の市区町村の国民年金担当窓口に届出て、承認を受ける必要があります。 ただし、「朝鮮大学校」に在学する学生は、日本政府が朝大を学生納付特例制度の対象となる「大学等」に該当しないとしているため、学生納付特例制度ではなく、申請免除の届出をすることになります。(韓鐘哲、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナー) 【注】文中の保険料月額、保険料率は、2004年1月現在の数字になっています。 [朝鮮新報 2004.1.27] |