食文化豊かな郷土料理−全羅南道料理・臣家(東京都足立区) |
昨年12月にオープンした朝鮮家庭料理の店。安価でおいしいとあって、連日地元の客でにぎわっている。 店主の池洙鐘さん(36)は、17年前に留学のため渡日。6年前に在日同胞の金高勲さんと結婚し、現在は長男を東京朝鮮第4初中級学校に通わせている。 看板に「全羅南道料理」と掲げたのは、店を切り盛りする池さんと厨房を引き受ける実母の金炳南さん(65)の出身道だからだとか。 全羅道地方は豊富な穀物と海産物、山菜など、朝鮮半島の他の地方に比べて農作物が豊富なため、南でも「食の都」と呼ばれる地域。全州ピビンバなどが有名だ。 食文化豊かな故郷で腕を鳴らした金さんが作るイカの塩辛(350円)は、酒のつまみにぴったりの一品。しょう油ベースのたれには果物やしょうが、昆布など10種類以上の食材を使用しているため、ただ辛いだけではない複雑な味を楽しむことができる。この塩辛、旬の素材を使った季節限定ものも出しており、冬場は生ガキの塩辛(500円)などもおすすめだ。 全品消費税込みで500円均一とリーズナブルなランチも好評だ。 とくにユッケジャン定食は人気で、売り切れてしまうこともあるという。じっくり煮込んだテールのうまみは格別で、体の底から温まるような辛さがあとを引く。 2年前から行っている近隣地区への総菜、弁当の配達も好評だ。ラーメン、居酒屋などにはキムチ等も卸している。 値段が高く、量が多い巷の朝鮮料理ではなく、「安くて量もちょうど良く、みんなが気軽に食べに来れるお店にしたい」という池さん。安価でおいしい「臣家」なら毎日でも通いたくなる。(花) おすすめメニュー キムチ盛り合わせ(450円)、石焼ピビンバ(600円)、タチウオの塩焼き(600円)、チヂミ(500円) 営業時間 午前11時半〜午後1時半(ランチ)、午後5時〜11時、日祝休。東京都足立区綾瀬2―23―17。TEL 03・3602・0102 [朝鮮新報 2004.1.7] |