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 波が岩肌に
 ぶつかると
 白い玉が
 弾けます

 心が苦悶に
 ぶつかると
 黒い涙が
 溢れます

 波の玉は
 陽光に導かれ
 虹の国へ
 流れます…

 けれども わが心の涙は
 陽光もなく
 哀しい胸を
 曇らすばかり

「朝鮮文壇」12号に収録(1925.10)

盧子泳(ロ・ジャヨン、1898―1940) 詩集に「乙女の花環」、「我が魂の燃ゆるとき」など。植民地時代の苦悩と絶望感を歌ったものといわれているが、この時詩人はどんな波を見ていたのだろうか。(選訳、康明淑)

[朝鮮新報 2003.12.10]