南に窓を開こう
わずかな畑
鍬で掘り
手鍬で草を刈るのさ 雲が誘ったって行きはしない
鳥のうたは聞き放題
とうもろこしが熟れたなら
いっしょに来て食べてもいいぞ なぜ生きるのかって
そんな問いには笑うだけさ 「文学」誌に収録(1934.2)
金尚鎔(キム・サンヨン、1902―1951) 詩人の唯一の詩集「望郷」(1939)の最初に出てくる詩。この詩を読んで、20年ほど前今は亡き外祖母の住む平安北道安州を尋ねたとき、家のまわりを埋め尽くしていたわたしの背丈ほど伸びたとうもろこし畑が目に浮かんだ。(選訳・康明淑) [朝鮮新報
2003.11.26]
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