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蒼空

 あの夏の日
 情熱のポプラは
 向いくる空の蒼い乳房を
 撫でようと
 腕を広げて揺さぶった
 燃える太陽のもと 狭い地点で

 天幕のような空の下で
 騒いでいた夕立
 そして稲妻を
 踊っていた雲は引き連れて
 南方へ逃げ去り
 高々と蒼空は一面に
 枝の上に広がり
 丸い月と雁を呼んできた

 瑞々しい童心が理想に燃え
 その憧憬の日 秋に
 凋落の涙を嘲笑する

1935年10月20日 平壌にて

尹東柱(ユン・ドンジュ、1917―1945) この詩は詩人が19歳のとき書いたものでタイトルの横に「未定稿」と書き記してある。若い世代にぜひ読んでほしい一遍。(選訳・康明淑)

[朝鮮新報 2003.11.5]