top_rogo.gif (16396 bytes)

善竹橋

 善竹橋 石の欄干に 寄りかかり
 五百年 いにしえの夢に 日が暮れる
 伝えられる 物語 真であるかと
 赤味おびた 石門に 今一度見入る

 去るに 名残り無きこと すべての命か?
 石橋の下は 小川すら涸れ
 碑石の文字 ひとり 旅人を呼ぶ
 哀しき地よ、我ふたたび 訪ねん

「麗水詩抄」(1940)に収録

朴八陽(パク・パルヤン、1905―1988) 開城の善竹橋は「高麗王朝最後の忠臣」といわれる鄭夢周が李成桂(高麗王朝を倒し、朝鮮王朝を建国)への協力を拒み、暗殺された場所。詩人は「我ふたたび訪ねん」とうたっているが、訳者もぜひ一度訪ねてみたい地である。(選訳・康明淑)

[朝鮮新報 2003.9.17]