わたしは あなたの愛 あなたは わたしの愛 ふたつの愛 刀で切るなら この上なく美しい血 どくどくと流れ落ちる 一握りむんずとその血をつかみ ハンナラにひとしく蒔こう その地に花咲きほこり 春を迎えるのだ
「現代朝鮮文学選集・1920年代詩選(1)」に収録
申采浩(シン・チェホ、1880―1936) 詩人が中国で亡命生活を送っていた1913年頃に上海で書かれたもの。「ハンナラ」とは当時植民地下の故国をさすものだが、こうして今読むと、「ひとつの国」をさしているようで考えさせられるものがある。(選訳・康明淑)
[朝鮮新報 2003.9.8]