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朝鮮の脈搏

 真夜中に燃え尽きた灰のように
 己の情熱が目を閉じてひっそりとしているとき
 わたしは朝鮮の弱々しい脈搏を取っている
 わたしはそなたの毛細管、その脈搏

 やがて朝がおとずれ、白む東の空の下で
 己の希望と勇気が腕を誇るとき
 わたしは朝鮮の蘇生する長い呼吸を聞いている
 わたしはそなたの気管、その息吹

 しかし見よ 朝早く道を行き交う
 元気な若者、学生たち、球を投げる彼らのすばしっこい手足、本の包みを抱えた女生徒の力強い両腕
 その輝く顔 活気ある足取り
 ああ、これこそが真に朝鮮の活きた脈搏ではないか

 すこやかに育つ赤ん坊の愛らしい頬
 乳を欲しがるその大きな泣き声
 小さくとも力強い何かをつかみ取ろうとするその手のひら
 にっこり笑った唇、嬉しさにあふれるくっきりとした瞳
 ああ、朝鮮の大動脈、朝鮮の肺は
 幼子よ おまえにだけあるのだ

「文藝公論」創刊号(1929)

梁柱東(リャン・ジュドン、1903―1977) 詩集に「朝鮮の脈搏」。詩語ひとつ、表現ひとつから、祖国の未来を担う若い世代への愛情と期待感が伝わってくる。(選訳・康明淑)

[朝鮮新報 2003.9.3]