樹木がいつも空に向かうように 足は地を踏んでいようと わたしたち 星を見上げて歩いて行きましょう
友人より ほんの少し高い地位にいたところで 名誉なこと他にぬきんでたところで また 気にくわぬ者をこらしめたところで そんなことが すべて何だというのでしょう
一杯の酒にも及ばぬ 他愛のない事です 足は地を踏んでいようと わたしたち 星を見上げて歩いて行きましょう
盧天命(ロ・チョンミョン、1912―1957) 当時わが国で数少なかった女性詩人。初詩集は「珊瑚林」(1938年)。代表作は詩人を「鹿の詩人」と言わしめた「鹿」。つらい事があっても「星を見上げて歩いていきましょう」と、時空を超えて呼びかけているようだ。(訳・康明淑)
[朝鮮新報 2003.6.25]