わ れ は 行く この若きいのち 涙のうちに送れようか わ れ は 行くのだ
ひなびたこの港とて容易く捨てられようか 霧のように潤む瞳にもうつる 谷間のすみずみまで足になじんだ山の姿 皺さえも目に刻まれた ああ いとおしき人々
捨て行く身とて忘れえぬ思い 追われ行く思いに違いがあろうか かえりみる雲に風がからむ たどりつく港などあるのだろうか
わ れ は 行くのだ この若きいのち 涙のうちに送れようか わ れ は 行く
1930
朴龍普iパク・リョンチョル、1904―1938) 詩人の代表作。植民地統治下であっても希望を捨てず未来を切り開こうとする当時の若者たちに広く愛誦されたという。20歳で単身海を渡った亡き父を思い出させる。(訳・康明淑)
[朝鮮新報 2003.6.18]