その日が来れば その日が来れば
三角山が起きあがりトォドンシル踊りだし
漢江の水が逆巻きたぎり立つ その日が
この命絶える前に来てくれるものなら
わたしは夜空を飛ぶカラスのように
鐘路の鐘を頭で突いて鳴らせてみせよう
頭蓋骨がくだけて粉々になろうと
喜びに死ぬのであれば何の心残りがあろうか その日が来て おお その日が来て
六曹まえの大通りを 泣き 飛び跳ね 転げまわり
それでもあふれる喜びに胸張り裂けるなら
研ぎ上げた刃でこの身の皮をはぎ
大きな太鼓をつくって肩から下げて
人々の行列の先頭に立つであろう
轟きわたるその音を一度でも聞けたなら
その場に倒れても 目を瞑るであろう 1930 *六曹―朝鮮王朝時代に国務を司った六つの部門。ここでは総督府の庁舎をさしていると思われる。 沈薫(シム・フン、1901―1936) 新聞記者、映画人、小説家と多彩な顔をもつ。小説では「常緑樹」が代表作。朝鮮独立の夢をうたったこの詩は、今日、統一の「その日」を渇望する私たちの胸を打つ。(訳・康明淑) [朝鮮新報
2003.6.4]
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