わたしはあなたの雲雀のような語りを愛する
それにもまして あなたの言葉なきを愛する
言葉はしょせん 小さな美しい一つの玩具
わたしは玩具に飽きた育ちゆく子供 言葉よりむしろ わたしはあなたの歌を愛する
かぐわしくも心惹かれるあなたの歌よ!
西の空に茜映える夏の夕暮れ
あなたのくちずさむ歌は どれほどわたしを魅了することか 歌にも飽きるとき あなたは窓辺にもたれて沈黙する
ああ なんと真実にして華麗なる沈黙であろうか!
わたしは言葉なくたたずむ麗しきあなたの窓越しに
夏の夕暮れの茜空を 夢のように憧憬する 「麗水詩抄」(1940)
朴八陽(パク・パルヤン、1905―1988) 号は「麗水」。「わたしにつつじの花をうたえというのですか」で始まる詩「つつじ―春の先駆者をうたう」が有名だ。原題は「失題」。(訳・康明淑) [朝鮮新報
2003.5.20]
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