希望は人言うに うす―い
とんぼの翅 うす―いながらも身をもたげ 蒼空に向かう
とんぼの翅 暗い夜 重苦しい夢にも
ひろげてすぼめない とんぼの翅 ああ 蜘蛛の巣の受難に息絶えても
ひらいたままの とんぼの翅 ゆえに
とんぼの翅は美しい
詩集「焚香」(1938)に収録
李燦(リ・チャン、1910―1974) 「キム・イルソン将軍の歌」の作詞者。詩集に「待望」、「焚香」、「太陽のうた」など。わが国でとんぼは福を呼ぶものと聞いたことがある。国を奪われた詩人は、想いをそんなとんぼの翅に託したのだろうか。(訳・康明淑) [朝鮮新報
2003.4.23]
|