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君のもの

 君の瞳 太陽となり
 あたりいちめん照らしだし
 いとしき人のくに明るく

 君の血潮 花となり
 あたりいちめん咲きほこり
 いとしき人のくに美しく

 君の吐息 風となり
 あたりいちめん吹きそよぎ
 いとしき人のくに清らかに

 君の言葉 炎となり
 あたりいちめん燃えあがり
 いとしき人のくに熱く

 肉は腐って土となり
 骨はかたまり石となれ
 いとしきくにへ捧げんと

 ―天津にて―

申采浩(シン・チェホ、1880―1936)
「朝鮮上古史」をはじめ多くの著書を残した歴史学者。文学領域での活動も小説、随 筆、詩と多方面にわたる。この歌は中国での亡命生活中に作られた。(訳・康明淑)

[朝鮮新報 2003.4.9]