私がいの一番に
踏んでみたかったこの地 はじめの一歩
胸にせまり来る
ふるさとの
空と山と泉と野原 流れた月日はいくとせ
山河は変わらないと
よく言うものだが
その山河さえ変わってしまい 軒をならべた藁葺き屋根はどこに
天を衝くような高層マンション
当たり前のように立ち並び
くわを担ぎ歩いた畔道には
高速道路がはしる 半世紀をこす月日
私の夢に浮かんでは消えたふるさと
長い月日の流れにまみれ
変わり果てた姿 見る影もなし ふるさとを想い焦がれた
異国での日々
一日も
百日も
その想い忘れなかった
ふるさと やっと来たふるさと
叫んで叫んで呼び続けたふるさと
何度も文にしたためてきたふるさと
私はふるさとに抱かれ感慨にひたるのに ふるさとは私にきく
どこで何をしてた 今さらなんだ
こんなに長い間ほったらかしにして ふるさとのために
ふるさとをさがすために
今日のこの日たずねた私に 金允浩(キム・ユンホ) 詩誌「チョンソリ」2002年秋号収録。(訳・全佳姫) [朝鮮新報
2003.1.7]
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