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〈インタビュー〉 河村邦彦新潟NGO人道支援連絡会代表

 【平壌発=姜イルク記者】新潟NGO人道支援連絡会の一行が7日から13日まで訪朝し、新潟県民に呼びかけて募った支援米50トンを元山市の子どもたちに直接手渡した。川村邦彦代表(66)に感想などを聞いた。

 ―訪朝のきっかけは。

訪朝団メンバー

 われわれは7年にわたり朝鮮に対する支援活動を行ってきた。私自身はモニタリングするつもりはなく、信頼関係で良いと思っている。今年7月下旬にも朝鮮を訪れ支援物資を届けているので、今回は訪朝するつもりはなかった。が、支援物資がきちんと届いているのか疑問に思う人たちもいる。これを証明し、硬直した世論を解きほぐす方法はないかと模索して、訪朝に踏み切った。

 今回、カレーライスも持って幼稚園を訪れ、子どもらと一緒に食事することを考えたが、それが実現できた。

 また、食糧配給所も訪れた。人々はとても素朴で、支援に対し助かると言っていた。

 ―印象深かったことは。

麻袋は各家庭や精米所で再利用されている

 世界食糧計画(WFP)の送った支援米の麻袋が、再利用されていることを直接、確認できたことだ。いろいろな用途に再利用されていた。この麻袋は頑丈だから利用価値が高く、破れた箇所をなおして使われているものもあった。朝鮮のWFP事務所を訪れて聞いた話によると、今まで7000万枚の麻袋が朝鮮に入ってきている。市場で流通しているのは自然なことだと言える。

 RENK(救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク)などは、この麻袋が市場に出回っている映像をクローズアップしながら問題にしているが、まったく意味のないことだと確認できた。われわれはこの事実を知っていたけれど、直接確認し映像にもおさめることができたことは意味があると思う。

 ―連絡会に対してもいやがらせがあると聞いているが。

供給所に送られた支援米

 拉致問題で、特に新潟は朝鮮に反発する声が大きい。

 連絡会事務所の前に宣伝カーがやってきて大声を上げて威嚇し、ビラをばらまいたりしている。在日韓国系の団体も含まれていた。脅迫電話などもあるが、論点がかみ合わないのでいちいち付き合わない。警察の保護を受けているので、身の危険は感じていない。

 現在、拉致問題解決のため朝鮮に対し制裁など力で解決しようとする人が圧倒的に多い。そう信じきっている。メディア、特に地方紙、地方欄では多く拉致問題を取り上げているので、県民は感情的になって思考がそこで止まり、現実を直視できなくなっている。

 5人の拉致被害者らが家族と一緒にならないことには県民感情はおさまらない。これをクリアーするためにも朝鮮とのコミュニケーションが大事だと思う。

 ―今後の活動について。

元山市託児所の子どもたちと食事

 新潟の心、日本の心と善意を支援食糧に託し、引き続き活動していく。「百聞は一見にしかず」という言葉があるように、支援者から希望を募り、訪朝を企画している。来年6月に農民を、8月頃には学生を対象に実現したい。

 新潟と元山には長い歴史があり、友好の絆がある。友好を深めるため努力していきたい。

 新潟NGO人道支援連絡会 前身は、97年5月に結成された「新潟NGO朝鮮民主主義人民共和国子ども支援連絡会」。00年9月、代表者交替を機に「新潟NGO人道支援連絡会」に名称を変更。これまで元山市を中心に、20回にわたり約1100トンの食糧、肥料を送った。中心メンバーは牧師や大学教授らで、休耕田を活用した援助米の作付け、支援募金などを県民に呼びかけている。国内ではホームレスに対する支援も行っている。

[朝鮮新報 2003.11.25]