〈大学受験資格問題〉 これまでの主な動き |
外国人学校出身者の大学入学資格問題に関し、「英米系インターのみに資格を認める」とした文部科学省の発表から半年。この間、全国各地の同胞たちが集めた署名は100万人分を超え、3月末までの1カ月間だけをみても同胞たちが文科省を訪れ要請活動を行った回数は延べ37回におよんだ(総聯中央教育局調べ)。一方、国立大教員、弁護士をはじめとする日本市民、外国人学校関係者らも差別是正を訴え立ち上がった。大きなうねりとなった「受験資格運動」。これまでの主な動きを振り返る。 2月28日 東京で教育権利擁護のための緊急集会 3月6日 文科省は英米系のインターナショナルスクール16校のみに大学入学資格を与える方針を発表 3月7日 東京でオモニたちの緊急集会とデモ(19の都道府県から230人が参加) 3月8日 東京で同胞緊急集会(約1000人参加) 3月11日 国立大の教職員が声明発表、文科省に要請(1500余人が賛同) 3月13日 東京の朝青、青商会、留学同が合同で衆議院会館前で座り込み(翌日から20日まで文科省前でビラ配布) 3月17日 日弁連が会長声明発表 3月20日 東京で同胞青年学生集会とデモ(約1400人参加) 3月26日 南の99民間団体が声明発表 3月28日 文科省が3月6日発表の当初案の再検討を発表(パブリックコメントは全国から寄せられた1万3343通中、「アジア系学校にも資格を認めるべき」との意見が96%の1万2779通を占めた) 3月31日 日本政府は所得税法と法人税法の政省令を改正し、各種学校となっている外国人学校を一般の私学並みの特定公益増進法人に追加。しかしそれを受けた文部科学大臣告示では、その対象を欧米系のインターに限定し朝鮮学校など民族学校を排除 4月12日 国立大教員らの呼びかけで東大でシンポ 6月5日 この問題をめぐり同胞、日本の弁護士で結成された「外国人学校、民族学校の問題を考える弁護士有志の会」は、大学入学資格の諸規定に関する質問書を文科省に提出 6月14日 東京中高で初の国際文化祭(インドネシア、ブラジル人学校が参加) 6月16日 民主党国会議員、東京都議会議員11人が東京中高を視察 6月18日 東京で同胞集会とデモ行進(2400人参加) 6月19日 池坊保子前文部科学大臣政務官が東京朝鮮中高級学校を視察(政務官レベルの文科省役人が朝鮮学校を訪れるのは初めて) 6月20日 京都、大阪、兵庫3府県の知事が文科省に要望書提出 7月2日 全国の国立大学学長の8割近くが「外国人学校卒業者に入学資格を認めたい」とした朝日新聞社のアンケート調査結果が同紙に掲載される 7月11日 長野、神奈川の両県議会が文科省に意見書提出 7月17日 東京中高、東京韓国学校東京中華学校の代表らが公明党の冬柴鉄三幹事長に要望書を提出 7月25日 東京外国語大学が外国人学校卒業生の受験資格がただちに認められるよう、文科省へ要請することを外国語学部教授会で決定 8月6日 文科省が「大学入学資格弾力化方針」発表(一部の外国人学校卒業生には学校単位で入学資格を認め、朝鮮学校は「本国との教育課程との関係を確認することは困難」との理由から資格の有無を各大学の個別審査にゆだねるという内容) 8月8日 桝本ョ兼京都市長がすべての外国人学校に1条校に準じた処遇を求める要望書を文科省に提出 8月12日 文科省は、外国人学校卒業生の専門学校(専修学校専門課程)への入学資格について、8月6日に提示した基準と同様にすると発表 8月20日 朝鮮学校受験生の代理人弁護士61人は国立大学に対し、入学資格認定書を大検出願期間の前に交付するよう督促 9月6日 朝鮮学校を支援する日本の市民団体でつくる「外国人学校、民族教育を支える全国連絡会」結成 9月19日 文科省が外国人学校卒業生の大学入学資格に関し法令改正(この決定により、インター、韓国学校など学校単位で認められる21の外国人学校と各大学の個別審査を受ける朝鮮学校など一部の外国人学校とを線引きする「新たな差別」が生み出された) 10月3日 全国83国立大学中、32校が来春の受験を希望している朝鮮学校生に入学資格認定書を交付したと「弁護士有志の会」が発表 [朝鮮新報 2003.10.14] |