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〈朝鮮統一支持第21回全国集会〉 友好、連帯運動の方向性示す

 北海道札幌市で4〜5日開かれた朝鮮統一支持運動第21回全国集会。1982年から毎年開催されてきたが、昨年は厳しい状況下で見送られ今回、平壌宣言発表後初めての集会となった。集会では、今後の運動を平壌宣言の基本精神に基づき繰り広げていくことが確認された。

正々堂々と運動を

全国から集まった集会参加者

 集会は、2001年10月以来約2年ぶりの開催となった。

 昨年9月17日以降、反朝鮮、反総聯、反朝鮮人感情が増幅されるなか、朝・日友好親善運動自体も攻撃の対象となるなど、状況の厳しさは、今も変わりはない。そのことは、「やっとのことで開催の日時、場所が決まった後も、当日まではらはらし通しだった」という実行委員会関係者の言葉からも察せられた。

 しかし、関係者の努力により従来の規模での開催に無事こぎつけた。

 主催者あいさつをした朝鮮の自主的平和統一を支持する日本委員会の槙枝元文議長は、運動の停滞傾向を憂慮しながらも、「今こそより積極的、より強力な取り組みが求められている。政治家は、朝鮮問題にかかわると票が減るからと尻込みする。いまうかつに意見を述べると拉致家族会や右翼に攻撃されるからなどといって躊躇したり、また、間違った世論に迎合したりすることなく、勇気をもって正々堂々と運動を進めよう」と呼びかけた。

 このあいさつに、同感とばかりに、会場からは大きな拍手が沸き起こった。

今後のあり方提示

 日本委員会は、全国の日朝友好組織に運動の具体的な指示を一方的に出すのではなく、運動の方向性を示し、これに沿って各団体が実情に合わせて運動を行なう形態を取っている。

 今回の全国集会の意義について関係者は、平壌宣言の基本精神に沿って日朝友好、連帯運動を繰り広げていくという方向性が示されたことが一番大きいと話した。花輪不二男全国チュチェ思想研究所事務局長は、「政治状況が揺れ動いているなか、平壌宣言発表後の運動のあり方がきちんと示されたことで、各地メンバーの意気込みがいっそう大きくなると思う。現在、(右翼団体などの)朝鮮バッシングで友好関係が破壊されているが、この動きに対して声を大にして反対し、われわれの運動を活気づけていきたい」と話した。

「日本人の問題」

 集会には多数の同胞も参加し、お互い意見を述べ、実情を話しながら論議を深めた。

 2日目、朝鮮半島情勢、地域実践交流、民族教育の3つのテーマ別に分科会が行なわれた。民族教育分科では、朝鮮学校の処遇について話し合われた。

 「修学旅行で9月祖国を訪問した生徒は、チマ・チョゴリを着て堂々と歩くことができたことが一番良かったと感想を述べている」

 北海道朝鮮初中高級学校の教員が心に傷を負っている生徒の実情を述べた。また、大学入試資格、助成金などでの差別問題も話し合われた。

 北海道金正日著作研究会の鈴木芳雄さんは、「朝鮮学校に問題があるのではなく、日本社会に問題がある。社会を変えていくため活動していきたい」。

 また、地域実践分科では、政治色をやわらげ、文化交流など超党派の市民運動を繰り広げながら、世論を変化させていくことなどがテーマになった。

 朝鮮半島情勢分科では、小泉首相自身が平壌宣言の基本精神を分からないのではないかという疑問が呈され、過去の清算問題など宣言履行に取り組めるよう冷静かつ突っ込んだ論議をすべきという結論に達した。

 閉会式で槙枝議長は、「平壌宣言が日朝関係の出発点。これを日本国民の宣言として捉え、運動を発展させていこう」と締めくくった。(姜イルク記者)

[朝鮮新報 2003.10.9]