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「万景峰92」号が寄港する新潟西港の埠頭と検問所前で器物破損、暴行事件発生

港湾事務所長と県警の警備課長に抗議する韓局長ら

 4日、「万景峰92」号が寄港する新潟西港の埠頭と検問所前で発生した器物破損および脅迫事件と関連し、総聯中央の韓正治国際統一局長が被害者および目撃者とともに事件直後、新潟港湾事務所で同所長と新潟県警の警備課長らに会い、当局のずさんな警備態勢・姿勢に抗議、暴行を加えた「救う会」関係者の謝罪を求めた。

 器物破損事件は、ターミナルへ向かう際の第1検問所前で発生した。入港を歓迎するために旅客ターミナルに向かっていた同胞らを乗せたマイクロバスが検問所前で停車しようとした際、「拉致家族を救う会」の腕章をつけた男を含む10数人が駆け寄りバスを蹴りつけた。ターミナルまでの直線約400メートルの道路には、第1、第2検問所が設けられている。第2検問所からは、ターミナルに向かう歩道(右側)=乗降客通路、埠頭に向かう道路=「拉致被害者の会」、左側の歩道=マスコミ関係者に分けられている。

 一方、暴行事件は乗客の下船途中、「救う会」関係者約120人が、禁止されていた埠頭での集会を開き、朝鮮の国家指導者の肖像に×印をつけ、中止を要求した同胞に「殺すぞ」と脅しそれをくちゃくちゃにして投げつけたこと。

 韓局長は席上、一連の事件を速やかに取り締まろうとせず、歓迎に出た同胞を挑発して脅迫する集団を撤去させようとしなかった港湾当局にも重大な責任があると主張した。

 また、同号の安全な運航のために港湾当局と事前に取り決めていた事項を「救う会」関係者がやぶり事件をおこしたのだから、謝罪は当然必要だとしながら、厳重に対処するよう求めた。

 さらに、「警察はなぜ歓迎にきているわれわれ一方だけに顔を向けているのか」「それは警備でなく監視だ」「歓迎に来た同胞と抗議に来た人の数を同じにしろと規制するのもおかしい」などと語った。

 また器物破損の目撃者(同乗者)は「警察こそ目撃者。現行犯逮捕しようと思えば十分にできた」、暴行事件の被害者は「生命の危険を感じた」「主権国家に対する冒涜」などと訴えた。

 警察は警備の名目で器物破損事件を黙認したが、これはまさに、関東大震災時の朝鮮人虐殺を彷彿させる。

 韓局長は抗議の後、祖国往来記念館で記者会見し、コメントを発表。事件内容を伝えた。翌5日の出港前には埠頭で会見し、暴行事件などについて改めて説明するとともに、同胞らの祖国への自由往来が妨害されぬよう、マスコミも事実を正確に伝えるよう求めた。また、日本政府は朝・日平壌宣言の基本精神に戻って、今の非友好的な関係を改めるべきだとも主張した。

 なお、バスを蹴られた運転手は「器物損害」で、中傷行為の中止を求めたため暴言をはかれ物を投げつけられた同胞は「暴行」の被害届をそれぞれ新潟東警察署に提出、受理された。いずれも実況検分が行われた。(羅基哲記者)

[朝鮮新報 2003.9.6]