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総連福岡県本部、朝銀西信用組合本支店テロ行為に対する総連中央声明

 昨晩(8月24日夜)、マスコミ各社に「ケンコクギユウグン チョウセンセイバツタイ」を名乗る男から「爆発物を設置した」との「犯行声明」電話があり、朝鮮総連福岡県本部と朝銀西信用組合福岡支店から爆発物らしきものが見つかり、付近住民が避難する騒ぎが起きた。同じ頃、岡山市の朝銀西信用組合本店でも銃弾が撃ち込まれる凶悪なテロ行為がまたもや発生した。

 去る7月29日に、新潟と神奈川で起こった同様の事件から1カ月も経たないうちに、今度は福岡と岡山で、深夜に同時多発的に、しかも住民密集地域で、朝鮮総連と民族金融機関を狙い撃ちにして、在日同胞のみならず付近の日本住民までも混乱と恐怖に陥れ、人命をも脅かす凶悪なテロ行為が相次いで起こったことにたいし、こみ上げる怒りを禁じえない。

 昨年秋以降、ひんぱつしている朝鮮総連の各機関、同胞金融機関にたいする銃撃、爆破物脅迫などのテロ行為と、朝鮮学生や在日同胞にたいする暴力行為は、その計画性と危険性においていっそう悪質の度を増しており、エスカレートしている。

 とりわけ、今回の犯行は、明日(25日)新潟港へ入港する「万景峰92」号を阻止して在日同胞の祖国訪問を妨害することを目的としている。

 これは、家族親戚の暮らす懐かしい祖国へ旅立とうとしている多くの在日同胞や学生たちの熱い思いを踏みにじるばかりでなく、崇高な人道主義にもとづく在日同胞の祖国訪問の権利を侵害し、生命の安全をも脅かす許しがたき犯罪行為である。

 また、今回の犯行は前回と同じように、深夜に住民密集地域で騒乱を起こすことによって、住民たちに恐怖感を植えつけ、在日同胞と日本国民とを意図的に対立させようとする卑劣極まりない暴挙である。

 在日本朝鮮人総連合会は、80年前に起きた関東大震災時の朝鮮人大虐殺を想起しつつ、今日、日本各地でテロ行為を頻発させて在日朝鮮人の生命と財産を脅かし、日本社会の中で朝鮮総連と在日同胞にたいする偏見と反感を煽る、今回の事件を大きな民族的怒りをもって断固糾弾するものである。

 いま新潟では、去る6月上旬の「万景峰92」号入港予定時と同じような物々しい厳戒態勢が再び布かれ、右翼暴力集団や不純な勢力が騒然とした雰囲気をつくりだしている。

 私たちは、ことあるごとに日本の関係省庁トップが「万景峰92」号にたいする「厳しい対応」を公言して異常な厳戒態勢の強化をはかり、一部マスコミが日本国民の中で反共和国、反朝鮮総連の風潮を煽っていることが、今回のような事件を助長させていると指摘せざるをえない。

 一昨日、私たち朝鮮総連の代表たちが内閣府を訪れ、東京と兵庫で開催された「『万景峰92』号による正常な祖国訪問を求める在日同胞の集い」で採択された日本国内閣総理大臣宛の要望書を手渡した。

 にもかかわらず、今回のような犯行が起きたことは、じつに由々しきことである。

 日本当局は、平和と共存・共栄に向かう時代の大きな流れを直視し、朝・日平壌宣言の精神にのっとって在日朝鮮人の地位と人権、生命の安全と生活権を保障すべきである。

 私たちは、日本当局が今回、福岡と岡山でひき起こされた事件の重大性にかんがみ、新潟や神奈川で起きた一連の事件と共に一日も早く真相を究明し、二度とこのようなテロ行為が起きないよう、厳正に対処することを強く要求するものである。

 また、日本当局がいたずらに反共和国、反朝鮮感情を煽り、助長するような言動を慎むことを望むものである。

[朝鮮新報 2003.8.26]