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〈投稿〉 対話の芽つぶすマスコミ

 総聯新潟県本部関連施設への銃撃、ハナ信用組合支店爆弾脅迫事件、そして昨年の9.17以降鳴り止まぬマスコミの朝鮮バッシングと関連し、本紙編集部に寄せられた日本市民の怒りの声を紹介する。

 総聯新潟県本部に銃弾が撃ち込まれ、ハナ信用組合新潟支店では爆弾騒ぎ。正面から出て来ないで、陰からテロ行為のようなことで脅かすのは卑怯だ。恐怖を通り越して憤りを感じている。

 朝鮮に対する日本のマスコミの偏狭報道は腹が立つばかりだ。私たち日本人がマスコミや人前に出ておかしいことは「おかしい」と、どんどん言っていかなければならない。

 もちろん拉致問題は必ず解決すべきだと思う。しかし拉致問題にしても、核問題にしても、本当のところは何がどうなっているかを知らされないまま、朝鮮だけを追い詰め、圧力を加えれば譲歩を得られると考える主張は間違っていると思う。いつの時代も同じだが、強硬派と軍がいったん力を持ち、歯車に巻き込まれたら最後、2度と後戻りできなくなる。

 朝鮮の国や人々は、たとえ相手が強大で横暴であっても自らの主張は一貫しており、自主独立の姿勢を守っていてすばらしい。米国の言いなりになって、米国に文句を言わない日本とは違う。米国の引き起こしたイラク戦争も、有事法制の成立も、日本や米国は「北の脅威」を口実にしていたが、政府が主張する「脅威」は日本が朝鮮と仲良くすれば解決される問題だ。結果的に対話の芽をつぶす手伝いを誰がしているのか。

 過去をきちんと清算していない日本。アジアで唯一、他国へ大侵略を行い、朝鮮半島を分断させるもとをつくった日本が憲法第9条を捨てれば、北東アジアと世界はどういう結果に動いていくのだろうか。

 強者の論理が当然のようにはびこっている今、弱者側の言い分にこそウェイトを置いて聞いてこそ、公正が保たれるということを、日本のマスコミに訴えたい。朝鮮は過去の日本や米国のように他を侵略しようとして軍事に力を入れ、核にこだわっているのではないと思う(例えば米国が不可侵条約を結べば核を放棄すると一貫して言い続けて来ているではないか)。朝鮮が発表している声明や論評には、平和に対する姿勢が一貫している。マスコミにはこうした事実こそを報道してもらいたい。好戦的な国ではないことを知ってもらうことこそ、「脅威」を口実に、巧みに先制攻撃に利用しようとするものにとって1番の打撃になると思う。

 朝鮮も同じアジアの仲間。何が私たちの心を分断させ、憎しみ合わせてきたのか。1日も早く、この北東アジアに地域主体の安全保障の仕組みができる日を待っている。(守屋順子、主婦、岡山県在住)

[朝鮮新報 2003.8.11]