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〈大学受験資格問題〉 「独自で認定を」と東京外国語大学教授会が決議、文科省、学長に要請へ

 東京外国語大学(東京都府中市)の外国語学部教授会(馬場彰学部長)は25日、外国人学校卒業生の受験資格がただちに認められるよう、文部科学省に要請することを決めた。また、同省が受験資格を認めない場合、大学独自の判断で入学を認めることを池端雪浦学長に求めていくことも決めた。決議を受け、馬場学部長は一両日中にも要望書を提出する。

 【解説】2001年1月現在、全国の公立大の51.5%、私立大の49.9%が外国人学校卒業生の入学資格を認めている(民全連調査)。学校教育法施行規則第69条6号「大学において、相当の年齢に達し、高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認めた者」が法的根拠だ。この根拠について文科省は、「外国人学校、民族学校の問題を考える弁護士有志の会」が提出した大学受験資格諸規定に関する質問書への答弁などで「死文化している」としているが、東京外大の中野敏男教授は、「(文科省の見解は)多くの公私立大が6号にもとづいて入学資格を認めている現実との乖離が激しく、不合理極まりない。国立大学は国の強い指導により今まで認定できなかったが、本学教授会としては、『6号は死文化していない』ということを文科省は認めるべきだ、という立場だ」と語り、国立大独自の判断で外国人学校卒業生にも受験資格を付与できると強調する。

 これに先立ち京都大学では9日、国立大学では初めて、すべての外国人学校卒業生に受験資格を認めることが適当だと判断し、文科省に受験資格が認められるよう要望していくことを部局長会議の決定として発表した。また、朝日新聞社のアンケート調査(2日付)によると、全国の国立大学学長の8割近くが、「外国人学校卒業者に入学資格を認めたい」と答えているほか、各地の国立大教員たちも受験資格を求める声明を発表している。

 教授会とは、学部の問題を話し合う意思決定機関のひとつ。同会で決定されるさまざまな問題は、最高意思決定機関の評議会(学長、学部長らで構成)で討議し、大学全体の意志として決議される。大学運営上の機関である部局長会議や教員有志が集まってのものではなく、正式な意思決定機関である教授会が決議し、大学独自の判断をすべきだと明示した意義は大きい。

 京大の「判断」からさらに一歩踏み込んだ内容となった今回の決議は、判断が迫られている文科省と他の国立大を突き動かしていく起爆剤となろう。(李明花記者)

[朝鮮新報 2003.7.29]