〈投稿〉 期待を裏切る日本の言動 |
昨年9月の朝・日首脳会談以降、本来好転してしかるべき朝・日関係は、われわれの期待を見事に裏切るかのように、日に日に悪化している。 首脳会談直後の、日本人の反朝鮮感情に油を注ぎたかったとしか思えない小泉首相の街頭演説。朝鮮学校と朝鮮学校生への脅迫、テロおよび日本の学校に通う朝鮮人生徒らへの差別事件。著名人らのホームページのサイバーテロ。一時帰国のはずだった拉致被害者たちの「永住帰国」。アメリカ発の「核開発疑惑」。「北朝鮮応援するの嫌だから」と全ての参加国を応援した青森の小学校と、「あんな連中と一緒にされたくない」からと、異国に住みながらも同族内で差別化を図ろうとした一部の在日韓国人。祖国訪問を終えて帰ってきた学生たちに深い傷を負わせた「万景峰号入港反対運動」。「ならず者国家」をつぶすための前哨戦だったアメリカのイラク侵略。文部科学省によるアジア系学校への大学受験資格適用除外の検討。東京都知事の再選。巨大メディアによる反共右派政治家たちの「英雄化」。SARSとパナウェーブのどさくさまぎれに成立した「有事法案」。各地方自治体でも進められている、朝鮮人とは無縁であろう「国民」保護付き「有事対策」。親子連れでにぎわった「工作船」。いくつかの自治体での自衛隊への兵役適齢者情報の提供。言葉が足らなかったらしい「麻生発言」。生き証人が死ぬのを待っているとしか思えない「浮島丸」裁判の敗訴。元誇張主義国家ばかりが集まったサミット。アメリカの対朝鮮政策に呼応した「入港反対運動」と朝鮮の船への監視、検査。盧大統領の来日とテレビでの「未来志向」の「市民対話」。地方自治体による総聯施設への固定資産税の課税決定。 拉致事件の時のように怒りが込み上げてこないらしい沖縄での米兵による強姦事件、東南アジア諸国会議における、いまだ終わらぬ日本の戦争責任問題そっちのけでの「拉致」の文言化要求などなど。 これは9月17日以降に起きた、基本的に朝鮮および在日朝鮮人にまつわる否定的なことがらの一部を記したものである。(大阪府、フリーター、26、宋実成) [朝鮮新報 2003.7.15] |