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〈大学受験資格問題〉 国会議員ら朝鮮学校訪問

 朝鮮学校をはじめとする外国人学校卒業生の日本の国立大学受験資格問題と関連し、7日、文部科学省の池坊保子政務官が神戸朝鮮初中級学校、民主党の国会議員6人が神奈川朝鮮初中高級学校を訪問した。また、埼玉県中部地域朝鮮同胞要請団が文科省を訪れ、この間に集めた署名を提出、受験資格問題とともに補助金など朝鮮学校の処遇改善において同校を学校教育法の1条校に準じた扱いをするよう、遠山敦子大臣あてに要望した。「朝鮮学校を支援する新潟県民の会」、埼玉の「朝鮮学校を支える会」など日本の21の団体が参加する「朝鮮学校を支援する全国組織準備会」も同日文科省を訪れ、外国人学校も日本学校同様、平等に扱うよう強く求めた。

池坊文科省政務官、神戸初中を訪問

日朝友好のメッセージを送る池坊政務官

 池坊政務官が朝鮮学校を訪れるのは、6月19日の東京朝鮮中高級学校に続くもので、日本の中でも国際化が進んでいるといわれる神戸における外国人学校の現状を見るのが目的。兵庫県外国人学校協議会の要請によるもので、中華同文学校も訪れた。赤羽一嘉衆議院議員(公明)が同行した。

 神戸初中、中級部の授業を参観した政務官は、「教科書は全国共通?」などと生徒たちに質問を投げかけながら、各教室を見て回った。途中、中級部3年の教室で教壇に立ち、スピーチを行う場面も。「自国の文化や言葉はもちろん、日本の文化も愛し、両国の友好のかけ橋となってください」という力強いメッセージに、教室からは大きな拍手がわいた。

 また生徒代表、保護者と懇談も行った。

 視察を終え政務官は、「小、中過程を見るのは初めてだが、その一貫性のなかで相互扶助が実現されており、すばらしいと感じた。学力が劣るとは到底思えない。幼少期から日本語と母国語を身に付けるなど、基礎学力もしっかりしている。さまざまな外圧もあるが、なんとか早いうちに受験資格問題を解決したいと思っている」と語った。

民主党議員らは神奈川初中高

神奈川初中高で授業参観する民主党国会議員ら

 一方、神奈川初中高を訪れた民主党の石毛えい子衆院議員は、「自分たちの未来を切り開いていくためにも日本の人といろいろなことを一緒に学び、それを日朝交流に役立てていきたいという生徒たちの主張はしっかりしていた。在日外国人にも『学ぶ』という権利は当然与えられるべき人権だ」と感想を述べた。

 また山元勉衆院議員は、「授業はレベルが高かった」と指摘しながら、「先日、朝鮮学校に通う子供たちは将来、日本と朝鮮を結ぶかけ橋になる、その子たちに日本はひどく差別している国だという印象を与えないよう、文科大臣に改善を申し入れた」と語った。

朝鮮学校を支援する全国組織準備会、埼玉中部地域父母会は文科省に要請

 7日、署名を提出した埼玉・中部要請団。埼玉初中、中部地域父母会代表の金珠玉さんは要請後、「上の子は大検を受験したが、経済的、精神的な負担が大きかった。下の子には日本学校生徒と同等の権利が与えられるよう、文科省は早くよい結果を下してほしい」と主張した。

 同じく「朝鮮学校を支援する全国組織準備会」の多賀秀敏早大教授は要請後、「この問題は朝鮮との問題だけではなく、日本の人権問題でもある。文科省の方針に足踏みする生徒がでないよう、早く認めるべきだ」と指摘した。

 なお両要請には日森ふみひろ衆院議員(社民党)がそれぞれ同席し、文科省側からは大学課課長補佐が対応した。

[朝鮮新報 2003.7.8]