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〈大学受験資格問題〉 6.18院内集会に寄せられた横浜インター・サンチョ校長のメッセージ

 横浜インターナショナル・クリスチャンアカデミー(以下YICA)は幼稚園から高校段階まであり、17カ国、95人の生徒が在籍している。約半分が日本国籍、次いで韓国、中国、マレーシアの順に多い。ほとんどの生徒は親の仕事の関係で日本に滞在しているため、平均4〜5年で帰国する。YICAでは、週に1コマ日本語の授業がある。卒業生は通常米国、または帰国先の大学に進学するが、なかにはテンプル大学日本校、立命館大学に入学した生徒もいる。

 文部科学省はいわゆるインターナショナルスクール(以下インター)の実態を何も知らない。そもそもインターと民族学校のそれぞれの定義もはっきり定めていない。インターといってもさまざまで、YICAのように財政をすべて学費だけでまかなっているような学校もあれば、ゼネラルモーターズのような大企業が多額の寄付をしている学校もある。文科省が採用するとした認証機関についても、なぜ数百もの機関の中からあの3つを選んだのか、その根拠を示すべきだ。とくに米国の2機関に対して、その教育基準や方針を文科省がきちんと把握しているとは到底思えない。ACSI認定校はテキサスやコロラドのネオコンと深いつながりを持っている過激なキリスト教原理主義を母体としていて、いまだに地球は5000年前に創造されたと信じている。

 何よりも文科省のこの態度は反コリアン的であるといわざるをえない。歴史的背景を考えれば真っ先に朝鮮、韓国、中華などの民族学校にこそ受験資格が認められるべきである。日本で生まれ、日本で生活し、これからも日本で暮らしていくのだから、個人の能力だけを問えば良いのではないか。外国人に対して同化を強制するのではなく、それぞれのオリジナリティーを活かして共生を実現しなければならないのに、いまだに日本には島国根性が残っているのかととても残念に思う。

 みんなが同じ条件でチャレンジできるよう、誰の目にも明白な基準を設け、公平なルールを用いるべきだ。今の日本は個人の能力でなく、個人の持っているコネクションによって運命を決められてしまう不公平がまかり通っている。

 この問題について得てしてインターの反応が薄いと思われがちだが、実は私たちにとっても重要な問題である。受験資格や税制優遇が認められれば、これまでよりも多くの生徒を期待できるし、寄付も受けやすくなるからだ。今回文科省が認めるとした「サンモール・インターナショナル・スクール」の校長も、「資格が認められること自体は非常に喜ばしいが、16校にだけ認めてほかの外国人学校には認めないのはおかしい」と話していた。

[朝鮮新報 2003.6.28]